第21回放送 2013年3月4日(月)

石田アナウンサー:
さて、毎月第一月曜日のこの時間にお送りしております「漢方の知恵袋」の時間です。
漢方、とはいっても難しい話ではなく、食べ物の話や、季節に合わせた話など、
日常の話題を通して漢方をもっと身近に感じてもらえたらというコーナーです。
お話は、岡山市北区野田にある「ふたば漢方薬局の薬剤師、緋田哲治(ひだてつじ)先生です。
先生、よろしくおねがいいたします。
岡山市内でふたば漢方薬局と柿の木薬局を営んでいらっしゃる傍ら、岡山大学や就実大学で指導されています。
緋田先生:よろしくおねがいします。
石田:先生、先月は花粉症のお話しを伺いましたが、本当に今年は花粉症で悩んでる方が多いですね
私の周りでも今年始めて発症した人が多いですし、また症状もきつい人が多いです。
喉までやられて声が出にくいって人もいます。薬局のほうはいかがですか?
緋田:お店のほうですか・・
最近は自己防衛策でマスクをしている方が多いので、お店に入ってこられたとき、
目は笑っておられていつものお客さんなんだなとわかるのですが、なかなかすぐ誰かわからず、
頭の中で一生懸命考えて・・「あ~っ」ておかしなやり取りをしています。
やはり今年は花粉にいろいろなものがくっついているためでしょうか、症状はきついようですね。
特に目のかゆみやのどのイガイガ感で咳込む人も多いように感じています。>
石田:先月、花粉症の症状も「冷えタイプ」と「熱タイプ」に分けて考えると教えていただいたように思います。
もう一度、整理したいただけたらと思います。
緋田:花粉症は体が花粉を異物と判断して追い出そうとしている反応で、漢方では現れる症状によって大きく二つに分けます。
水っぽい鼻汁が多い、鼻が詰まる、くしゃみが出る、涙目になる、のどの痛みはなく目も赤くない-という「冷えタイプ」と、
もうひとつは体が熱っぽく、目・鼻・のどの粘膜が赤く腫れ、目がかゆく鼻汁も黄色く粘ついた「熱タイプ」です。
今年はいつもより熱タイプが多いように感じています。
花粉という自然界の外邪(がいじゃ)にPM2.5というような、練炭暖房、自動車や工場の排気ガスという熱によって
生み出されている熱性の邪(じゃ)がくっ付いているからかなって思ってます。
それに反して、Lロイテリ菌ていう乳酸菌を、冬の時期からインフルエンザ対策で飲んでいた方が、
期待はずれのように花粉症が出ていないって例も結構出ています。
石田:具体的にどんな漢方がいいのでしょうか。
緋田:まず、目がかゆく、のどに症状がでているこの熱タイプには、当薬局が家庭に常備しておくことをお勧めしている、
風邪薬としても使う銀翹散(ぎんぎょうさん)商品名天津感冒片を使ってもらいます。
出来るだけ手元にある漢方でまず対応して、効果少ないときには改めて相談してもらうようにしています。
私は花粉症ではないのですが、お客さんは飲んで一定時間はかゆみなどおさまっているようです。
口が渇いたり、眠くなったりせず、かゆみが自然と楽になるので喜ばれています。
ただ、これも対症療法にしか過ぎないので、また花粉にさらされたときは症状がでるので、シーズン中は
お手元においておかないといけないでしょう。
石田:銀翹散(ぎんぎょうさん)ていう名前は、これまでも先生のお話でよく出てきてたので覚えていました。
でも、前は冬はインフルエンザの漢方といっていたのに、花粉症の目のかゆみにも使えるって
漢方はとても興味深いですね。
寒タイプの漢方は、あまり聞かなかった名前だったように思いますが・・・
緋田:水鼻が流れるように出て、くしゃみ・鼻水・涙でティシュが山のようになるという、寒タイプには、
温めて水分代謝を改善する小青竜湯(しょうせいりゅうとう)という漢方が第一選択となります。
小さい青い竜と書いて、しょうせいりゅうと読む漢方です。
中国の四神、四つの神のひとつで、東方を支配しているのが、この青竜といわれ、
その神聖な神の名前をいただいた漢方です。
麻黄という青い色の薬草が入るから、この名前がついているとも言われています。
花粉症の人には、ポピュラーな漢方ですが、水鼻には有効ですが、これだけではかゆみやのどの不快感は
なかなか取れません。
水鼻もかゆみもある人は小青竜湯に銀翹散(ぎんぎょうさん)を併用してもかまいません。
小青竜湯は病院でも扱われている漢方ですが、銀翹散は薬局にしかないので、ぜひ相談してみてください。
石田:さて、先生。今日は四月一日。新年度がスタートしました。
環境が変わるって人も多いでしょうね。
緋田:社会人の方ですと今日が入社式だったり、人事異動で今日から新しい部署でお仕事、といった方が多いでしょうね。
なんとなく気分が落ち込むとかやる気が出ない、逆に意味なくイライラしてしまうなどという症状が出やすくなります。
春はこのストレスと関係の強い臓腑「肝」(肝臓の肝)への負担が多くなり、このような精神的な病変を
起こしやすくなります。
漢方で言う肝は現代医学の肝臓の働きだけでなく、自律神経や情緒の働きと関係しています。
肝っ玉って言葉があるでしょう。肝が据わった人って言うのは、ストレスに強い人ってことですね。
だから、春はこの肝を養うことが大切と漢方では考えています。
石田:肝を養うって、具体的にどのようなことでしょうか。
新たに新生活を送る人、例えば一人暮らしを始める人に大切な注意点ということですよね。
大切なことは簡単で、季節に順応するということです。それはたとえば、夜明けが少しずつ早くなってきて、
今では6時前には明るくなってきています。
それにあわせて早起きをし、そして太陽の光を浴びること。
人の体はそれによりリズムが整います。だから夜遅くまでパソコンに向かって、朝起きるのが遅くなるとリズム
整いません。
また、この肝と目は非常に密接な関係があるので、目を使いすぎるとこの肝を傷めると漢方では考えるので、
特に春の季節はしっかり目を休めましょうね。
石田:最近はパソコンだけでなく、携帯電話やスマートホンの小さな画面を見つめているから、
そういう意味では肝を傷めやすいということなんですね。
緋田:そうです、漢方の立場だと、そこから自律神経の乱れが多くなっていると思っています。
石田:目に負担かけないようにして、早起きし、カーテンを開けて光を取り込み、全身に浴びたらいいんですね。
そしてほかには・・
緋田:そして、季節に順応するということは、旬のものを取り入れること。
ふきのとうやつくし、タラの芽、たけのこ・・この苦味が春に発散しきれずこもった熱を冷ましてくれるので
大切な食材です。
香りのあるシソや春菊、セロリ、三つ葉などを余り加熱せず香りを楽しむように食事に取り入れて
気をめぐらすようにします。
そしてあさりやじじもなどの貝類やレバーなど良質なたんぱく質をしっかりとって肝臓に栄養を与えるとよいでしょう。
石田:生活のリズム、食生活、こういったことを整えることで、より体調も整えやすいんでしょうね。
また、先生。
もうひとつ懸案事項がありまして。というのは、この時期、歓送迎会などでお酒を飲む機会も多いとおもいます。
朝起きると胃が重かったりだるかったりすることもありまして。
そんな中、胃腸の調子を整えるにはどうしたらいいですか?<span
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緋田:これこそ肝へのすごい負担ですね。
しっかりとつまみでたんぱく質をとります。
前にはかっ香正気散(かっこうしょうきさん)商品名勝湿顆粒を飲んでおきましょう。
翌日二日酔いになってしまったら、苦~い味の胃腸薬を飲まなくてはいけなくなってしまいます。
でも限度を越えないように
石田:ということで、漢方全般に関してのお問い合わせは、遠慮なくふたば漢方薬局にお問い合わせいただければいいですよね?
緋田:お問い合わせはいつでもどうぞ。
最近は、ラジオを聞いて久々にきました、っていう懐かしい方がいらしたり
他にも普段何気なくきいていただいていて、いざという時に思い出してご連絡くださる方もおおいんですよ。
今は体調は特に問題ないという方も、頭の片隅に置いていただいていざという時に思い出してもらえたらありがたいです。
また、ホームページでは、ここでお話しした内容をまとめて掲載しています。
石田:また、漢方のご相談などあわせてご相談ください
フリーダイヤル・0120-28-1128
(ふたば、いいふたば)までご連絡ください。
先生、今日は、ありがとうございました。今日もすごく勉強になりました。
毎月第一月曜日にお送りしている「漢方の知恵袋」。
来月の放送は、ゴールデンウィークの関係で第二週の月曜日になります。五月十三日のこの時間です。
どうぞ、お楽しみに。