第23回放送 2013年5月13日(月)

石田アナウンサー:
さて、毎月第一月曜日のこの時間にお送りしております「漢方の知恵袋」の時間です。
漢方、とはいっても難しい話ではなく、食べ物の話や、季節に合わせた話など、日常の話題を通して
漢方をもっと身近に感じてもらえたらというコーナーです。
お話は、岡山市北区野田にある「ふたば漢方薬局の薬剤師、緋田哲治(ひだてつじ)先生です。
先生、よろしくおねがいいたします。
岡山市内でふたば漢方薬局と柿の木薬局を営んでいらっしゃる傍ら、岡山大学や就実大学で指導されています。

緋田:よろしくおねがいします。

石田:先生、5月に入りましたが、今年の気候は安定しないですね。
たいていGWのころは、そろそろ半そでで良い・・・はずなのに
今年は、3月の気候に逆戻りしたりで、いまだにコートがクリーニングに出せない気分です。
体調整えるのも難しいですよね。

緋田:だんだん暖かくなるはずが、寒気が入って寒くなる日もあったり、また、朝晩と昼で気温が
ずいぶん違いますし、本当に体調を整えるのが難しいと思います。

石田:本当にそうですよね。体調を完全に崩してしまってるわけでもないから、病院に行くまでもないものの
ちょっと体調がすぐれない、なんとかしたい・・・。

先生、これは、漢方の観点だといい対処法あるんじゃないんですか?

緋田:昨日は最低が12度最高が23度1日の気温差が10度を超えた状態で、風邪や花粉症でもないのに
鼻水やくしゃみが出る症状を「寒暖差アレルギー」といって、ちょっと最近テレビなどでもこの名前を聞くようになっていますよね。

温度差の刺激が、鼻の粘膜の血管を広げ、粘膜がむくむことにより鼻水・鼻づまりなどの症状が出てきます。
アレルギーの原因となるアレルゲンが見つけ出せないので、医学的には『血管運動性鼻炎』といっています。

石田:寒暖の差による体調不良は鼻だけではないように思いますが・・

緋田:この季節の変わり目には、食欲不振や睡眠障害、疲れやすかったりイライラしたりと、
とにかく自律神経に影響が出てきます。
寒いときは血管を収縮して体温を逃がさないように、暑いときは広げて、温度差に体を順応させようとするのが
自律神経の働きですが、それがスムーズにできるのが寒暖差約7度といわれているそうですよ。
それ以上だと順応できずアンバランスになります。

石田:どういう対処法になるんですか

緋田:普通は、鼻やのどに来る人はマスクをして、冷気が直接襲ってこないように、またこまめに脱いだり着たり
出来る服装にしておくことも大切です。>

そして自律神経の乱れた症状があるときは、お風呂にゆっくり入るなどとにかくリラックスすることが大切です。

石田:ここまでは一般の対処法ですよね。この番組のタイトルの『漢方の知恵』ではどう発揮しましょう

緋田:
漢方ではこの寒暖差に対応するためのポイントが2つあります。>

1つは、以前からよくお話している体表にめぐっている衛気(えいき・防衛する気)をしっかりと強めること。
この衛気が汗腺を開いて発汗し体温を下げ、毛穴を閉じて寒さを中に入れないようにしています。
この衛気の弱い人が、この時期の寒暖差がつらく、体調を崩してまうわけです

石田:衛気の強い人は風邪を引かないんですよね。

緋田:そうです。衛気を強める漢方や養生で風邪を引きにくくなります。
寒暖差に弱い人は漢方薬では玉屏風散(ぎょくへいふうさん 玉に屏風と書きます)がお勧めです。
冬は風邪予防に、春は花粉症の体質改善に紹介していた漢方ですが、ここでは寒暖差につよくなるために使います。

石田:漢方ではひとつの薬がいろいろな病気に効くんですね。>

緋田:そうなんです。これを異病同治(いびょうどうち)異なる病気も同じ方法で治すということです。
また、逆に同病異治(どうびょういち)といって、同じ病名の人でも違った治療をすることもあります。

石田:なるほどこれが体質を見るということで、先生に相談する理由ですね。さて、その衛気を強める養生って>

緋田:昔からある乾布摩擦などはそのひとつです。皮膚が寒いと感じ毛穴を閉じておく訓練をする。
暑くなったら汗をかくということです。乾布摩擦は無理でも、お風呂上りにすぐ乾いたバスタオルで拭くのでなく、
冷たい濡れタオルで体を拭き、毛穴をきゅっと閉じ、それから乾いたタオルで拭く。
冷水をかぶったり、そこまでいかなくても足に冷水をかけて出ると風邪を引かないというのもこの理由です。
大事に大事に守るのでなく体はちゃんと鍛えないといけないということですね。

石田:普段から冷たい熱いを体が経験しておくということなんですね。>では、2つ目のポイントとは

緋田:先月お話しましたが、寒暖差で乱れやすい自律神経系は漢方では肝(かん)肝臓の肝、肝(きも)という字ですね。
この肝と関係があると考えています。
そしてこの時期は肝を強化しておきます。
肝の不調が胃腸に影響すると食欲不振になったり、心(しん こころ)に栄養が行かず不眠になったりする症状が出てきます。
ストレスを上手に発散しつつ肝を養うことは、これが五月病予防にもなっています。

石田:肝を養うにはどんな食材が良かったのでしたか。

緋田:キーワードは香りとたんぱく質。
まずセロリ、三つ葉、春菊、シソ、ジャスミン茶などストレスを発散させる香りのあるものを積極的にとり、
アサリ、シジミ、レバーなど良質淡白をとるのがお勧めです。
潮干狩りに出かけてストレス発散し、採った貝を食べるなんていいですね。

漢方では柴胡疎肝散(さいこそかんさん)という少し難しい名前の漢方が、肝の働きを良くして、
ストレスで胃腸が優れないようなときによく効きます。

石田:ということで、漢方全般に関してのお問い合わせは、遠慮なくふたば漢方薬局にお問い合わせいただければいいですよね?

緋田:お問い合わせはいつでもどうぞ。
   このあと、薬局に帰るまでの時間だけは待ってくださいね。(笑)

 

石田:また、漢方のご相談などあわせてご相談ください。
フリーダイヤル・0120-28-1128(ふたば、いいふたば)までご連絡ください。
先生、今日は、ありがとうございました。今日もすごく勉強になりました。
毎月第一月曜日にお送りしている「漢方の知恵袋」。
来月の放送は、6月3日のこの時間です。どうぞ、お楽しみに。