歴史を読みとり、今を見つめる。「飲む目薬」で目もこころも元気に。

『悠・遊漢方』 Vol.06

 このシリーズも6回目を迎えた。今回「目」を話題にするにあたり、ふと思い出したのが以前、取材で出会った仏師。仏師は新しい仏像だけでなく、古い仏像の修復も手がけていた。長い歴史の中から古人の技法を読みとり、現代に蘇らせる。その目ヂカラと集中力が忘れられない。ずっと不思議に思っていた。
 この疑問を、同じく古き時代の知恵を現代に活用している『ふたば漢方薬局』薬剤師・緋田哲治氏に投げかけてみた。「漢方では『肝は目に孔を開く』といい、目と五臓六腑の肝は密接なつながりがあると考えます。肝とは現代の肝臓の働きだけでなく、「肝(きも)がすわった」というように、精神症状にも大きく関係しています。すなわち、逆に目を使いすぎると、肝を傷め、結果精神も不安定になります。その仏師はよほど肝のチカラが充実していたんでしょう」。
 パソコンやスマートフォンなど、現代を生きるわれわれにとって、目への負担は増すばかり。目の使い過ぎが精神を乱すとは驚きだ。ならば少しでも日頃より肝を養っておきたい。聞けば、菊の花やクコの実は目に良いとされているらしい。目の働かせ、そしてしっかり今を見つめる。ちなみにこの漢方は「飲む目薬」と呼ばれているとのこと。なるほどうまいことを言う。飲む目薬で現代人の目もこころも元気に!これだ。