昔よく聴いたレコード、夜の静寂・・・心穏やかに愉しむ喜びを。

『悠・遊漢方』 Vol.13

 音に関する調べ物をしていたら実に興味深いレポートに出くわした。虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎなどを、日本人は言語と同様の左脳で聴き、西洋人は雑音と同じ右脳で聴いているのだそうだ。となると日本人にとって、耳はとりわけ大切な器官。それでも加齢とともに衰える運命。どうしたらいいの?緋田さん。
 「残念ながら年を重ねるごとに耳は、足腰や毛髪、目などとともに衰えていきます。特に近年は『耳鳴り』で悩む方が増えていますね」と語るのは、『ふたば漢方薬局』薬剤師・緋田哲治さん。
 耳鳴りと言えば・・・私の父もよく愚痴をこぼしていたのを思い出した。「相談しても『加齢だから仕方ありません』のひと言で片付けられる」とずいぶん落ち込んでいた。緋田さんいわく「加齢が原因ということは、歳を重ねると今より悪くなるかもしれない。それも耳だけではなく、他の機能も・・・。漢方で早いうちに手を打つのも選択肢のひとつです」とのこと。
 漢方には、磁石(じせき)と柴胡(さいこ)という鎮静、精神安定の生薬と補腎(ほじん)という抗老防衰作用を持つ六味丸(ろくみがん)を組み合わせた処方がある。耳の機能低下に加え、腰痛など、体全体に作用するらしい。いずれにせよ耳鳴りが治まれば、好きな音楽や会話、夜の静寂や自然の音色を心穏やかに愉しめるはず。上手に歳を重ねて、これからの人生まだまだ愉しむぞ!