(6) 津液(しんえき)

津液(しんえき)って、聞いたことのない難しい言葉ですね。
これって簡単に言えば、水のこと。

漢方では体の中の水のことを津液ともいい、汗、鼻水、涙、唾液、尿、胃液、
胆汁、髄液、関節液、リンパ液、細胞間液などすべてを含んでいます。
澄んでさらさらした水を「津(しん)」、濁ってねっとりしている水を
「液(えき)」と呼び区別することもあります。津は全身を潤わせて、
体外には涙、汗、鼻水などとして現れます。液は骨、筋膜、頭蓋の中にあって
関節を滑らかにし脳髄を栄養しているとしています。
水は小児では体重の約70%、成人でも約60%を占めており、
気・血とともに人体にとってとても大切なものです。

この津液には潤いと栄養の働きがあります。
しっとりしたお肌もこの津液によりもたらされます。
また涙、鼻水、唾液などが目、鼻、口などを潤わせているので、この津液が
枯れると目、鼻、口が乾き、腸管の潤いがなくなれば、便が乾燥して
便秘になります。
関節の動きが悪くなり痛みが出るのも、この津液の不足が原因ということが
あります。

樹木の潤いがなくなっていくように、人も年をとっていくにしたがって、
この津液は次第に減少し、枯れていくのは自然の摂理ともいえますが、
いつまでもみずみずしくありたいと願うのもまた皆同じだと思います。

ここで、チョッと難しい漢方用語の復習をしましょう
●この水が消耗したのを【津虚(しんきょ)または陰虚(いんきょ)】
 原因: 飲食の不摂生、栄養不良、日射にさらされる、胃腸虚弱、
     発汗過多排尿過多、慢性下痢、発熱、過労、慢性病など
 
症状: 口渇、手足のほてり、皮膚の乾燥、目の乾き、寝汗、
     舌は紅、苔は少なく乾燥
 
津液を補う食べ物: ヤマイモ、キクラゲ、百合、梅、すっぽん、もも、
           なし、びわ、牛乳

●この水が流れなくなると【水湿(すいしつ)または痰飲(たんいん)】
 原因: 飲食の不摂生、湿気の強い環境、排尿困難、
臓腑機能低下による津液の代謝不良、過労、慢性病など

 症状: めまい、頭重感、喘咳、動悸、嘔吐、下痢、浮腫、関節の腫れ、
     舌苔は白く厚い

 水をめぐらせる食べ物:キュウリ、あずき、ハトムギ、トウモロコシ、
トウガン、インゲン、アサリ、シジミ、ハモ、フナ、スイカなど