身近な薬草100選: ガジュツ

別名:莪朮・紫ウコン
                薬用部位:根茎
                使用量:2~15g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:胃のもたれ.消化不良.駆風

ショウガの仲間で、沖縄のウコン、屋久島のガジュツといわれ
民間の健康管理に広く利用されてきました。

■調整法
晩秋に根茎を採取して、湯通しして陰干にして乾燥させます。これを生薬で、
莪朮といいます。

■利用方法
民間では、莪朮は、胃のもたれ、消化不良、駆風(くふう・胃腸のガスを排出)
などに、1日量6~10gを適量の水で煎じて服用します。

◎湯浴料
葉を刻んで陰干しにして、腰痛、肩こり、疲労回復などに用います。

また、ガジュツには大きく次の効能があるといわれています。

1.血液をきれいにする:腸に溜まった老廃物を排出し、血液をきれいにする効能
2.抗酸化作用:活性酸素を排出して老化防止やガンの予防する効能
3.排毒作用:体に悪影響を及ぼす重金属などの毒素を排出する効能

また、ガジュツは胃炎、胃潰瘍を引き起こすヘリコバクター・ピロリ菌を退治
することも確認されています。その他にも、冷え性、生理不順、口臭、胃や十
二指腸のトラブルなどにも効くといわれています。
お酒を飲む方、タバコを吸う方にもおすすめ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
【ガジュツ末の飲み方】

苦い胃ぐすりで有名な恵命我神散はガジュツ末が主成分で、1日ガジュツ末
として5~15gの服用量となっています。
これを参考に、ティースプーン1杯(約3~4g)を1日3回を目安に食後に
飲んでみてください。お湯やお水に溶いて、一気に飲んでもかまいません。
テレビではいろいろ紹介されていたようですが、それを参考に飲みやすいよ
うにしてお試しください。(バナナと ヨーグルトを入れてミキサーにかけれ
ばガジュツ・セーキに?。ココアに混ぜてもOKです。)

ガジュツは漢方では、血の流れをよくしたり、腹満や腹痛を解消するもの。
※ 妊娠中の方は服用を控えてください。

身近な薬草100選: シュロ

別名:棕櫚
                薬用部位:葉.花穂.果実.皮.根
                使用量:2~15g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:黒焼き 高血圧.脳溢血.中風.脚気.止血

南九州原産といわれるヤシ科の常緑高木で、南国の植物としてご存知の方も
多いでしょう。

■調整法
シュロはいろいろな部位を用います。葉を乾燥したものを棕櫚葉(しゅろよう)
果実を乾燥したものを棕櫚実(しゅろじつ)、4~5月ころの雄花と雌花の若い
花穂を乾燥したものを棕櫚花(しゅろか)、幹にまきついている繊維状の皮を
乾燥したものを棕櫚皮(しゅろひ)、根を乾燥したものを棕櫚根(しゅろこん)
として用います。

■利用方法
すべての部位で高血圧に効果があり、脳出血の予防や高血圧の治療のお茶と
して用いられています。

◎黒焼き
繊維状の皮は黒焼きにして飲み、止血薬として吐血に用います

――――――――――――――――――――――――――――――――――
シュロ毛製品:葉柄の基部が三角状に広がっていて幹を巻いています。この
部分の繊維をシュロ毛といい、耐湿性があり、しゅろ縄、たわし、ほうきなど
に加工されていて日用品として利用されています。
昔には、シュロの葉を編んでハエたたきとして利用しました。

身近な薬草100選: オウレン

別名:黄連
                  薬用部位:根茎
                  使用量:1~5g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:消炎.鎮静.健胃.整腸.止血

薬草の栽培は古くから行われ、地場産業として定着しているものもあります。
オウレンはその代表的な薬草として知られ、とくに丹波黄連は古くから有名で
品質もよく、輸出もされてきました。
黄連の名は、根茎が節で連なり、断面が鮮黄色のためです。
春早く、まだ雪のあるところに花茎を出して白色の小花をつけているのが観察
できます。

■調整法
栽培の場合は5年間、野生の場合は20年以上たったものをえらび、11月ごろに
細根を切り取った根茎をそのまま乾燥させますが、さらに残った細根を焼いて
根茎だけにしたものを生薬の黄連といいます。

■利用方法
健胃、整腸薬として消化不良や下痢止めに用います。

◎粉末は一回量0.3~0.5gを1日3回食前に服用し、煎じ薬とするには刻んだ
根茎3~5gに水500cc加えて煎じ、約半量まで煮詰めたものを3等分し、毎食前
に服用します。
普通に黄連を煎じ薬とするときは、根茎だけでなく細根をつけたまま乾燥した
ものを使うこともあります。

◎うがい薬
扁桃腺炎や口内のただれ、歯茎の痛みにはうがい薬として用います。

◎結膜炎に
結膜炎などにオウレンの有効成分の含まれた目薬も市販されています。

※苦味が強いのは黄色物質のベルビリンによるもので、粉末や煎じ薬として用
 います。黄連の性として寒であるため、病態が冷えているような場合には用
 いられません。

身近な薬草100選: カンゾウ

別名:アマクサ リコリス
                  薬用部位:主根
                  使用量:2~5g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:緩和.消炎.解毒.鎮痛.健胃.去痰.咽頭痛

中国からヨーロッパ南部に分布する多年草。日本ではわずかに
栽培されています。
ハーブとしての呼び名が”リコリス”で、漢方の甘草と同じもので
あることをはじめて知る人も多くいます。
最近は、”リコリス”の方が有名になった感があります。

■調整法
カンゾウの、主根および横走茎を採取して乾燥したものが、生薬の甘草。
その甘草を、ハチミツとともに炒ったものを炙甘草(しゃかんぞう)と
いいます。

■利用方法
多くの漢方処方に配合され、緩和.消炎.解毒.鎮痛.健胃.去痰.咽頭痛に
用いられています。

カンゾウの甘味の成分は、トリテルペンの配糖体が含まれていて、そのなかで
グリチルリチンが甘味の主成分で、砂糖の200倍以上もあります。

※グリチルリチンには、副腎皮質ホルモン作用とくにアルドステロン様の作用
や抗炎症、抗アレルギー作用がありますが、長期間大量に連用すると脱力感、
四肢のけいれん、麻痺などの副作用が生じる場合がありますので、勝手に大量
に用いることは避ける必要があります。

身近な薬草100選: アンズ

別名:杏仁 キョウニン
                  薬用部位:種子
                  使用量:3~5g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:喘息.咳.呼吸困難.疼痛.浮腫.便秘

杏仁豆腐でなじみのあるアンズは、中国原産で古くにわが国に渡来しました。
ウメによく似た樹で、花は四月ごろウメよりおくれて咲き、淡紅色です。

■調整法
薬として用いるのは、果実の核をかなづちなどで割って得られる種子で、
これを乾燥したものを生薬で杏仁(キョウニン)といいます。
薬用として使用するときは、仁の突端部を除き、皮はつけたままのほうが
いいでしょう。

■利用方法
アミグリンを含んでいるので、鎮咳薬として、ぜんそく、せき、呼吸困難など
に効き目があります。
また、含有する脂肪油は、腸内に入って潤滑の作用があるために通便もよく
なります。

主に漢方処方(麻黄湯・麻杏甘石湯・清肺湯など)や家庭薬などに配合され
ています。

※杏仁は、多量に服用すると、含まれているアミグリンの分解により生ずる
青酸の吸収が多くなり、頭がふらつき、嘔吐などを起こす場合があります。
重症の場合はけいれん、意識障害、呼吸困難などの中毒症状が起こる場合が
ありますから、量的な注意が必要です。

身近な薬草100選: ナタマメ

別名:刀豆 トウズ
                  薬用部位:種子
                  使用量:5~20g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:蓄膿や痔ろうの時の排膿.せき.たん.病後の体力回復.

ナタマメの名前は さやが大きく固いので、鉈(なた)を思わせるところから、
「ナタ豆」がきているそうです。
身近なところでナタマメは、福神漬けの材料になっています。
漢方では昔から民間の排膿薬として重宝されていましたが、最近その成分が
注目され、ナタマメ茶としてさまざまな利用法が提案されています。

■調整法
ナタマメの種子を、8~10月ころに採取して、日干しにして乾燥させます。
これを生薬で、刀豆(とうず)といいます。
白いマメを白刀豆(はくとうず)といい、漢方ではこちらを主に使います。

■利用方法
刀豆(とうず)は、蓄膿や痔ろうの時の排膿、せき、病後の体力の回復などに、
1回量5~10gを煎じて服用します。

◎粉末にして
煎じるのが面倒な場合は、ミキサーで粉末にして1回1~3gを飲みます。
胃が弱い方は、いちどフライパンで焙じてから粉にするとよいでしょう。

身近な薬草100選: ネギ

別名:葱白 ソウハク
                  薬用部位:全草
                  使用量:1~2本
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:かぜ.頭痛.解熱.利尿.不眠

子供のころは誰も臭みのあるネギを食べるのを嫌がるものですが、大人に
なれば薬味として無かったりすると、逆に気の抜けたように思うものです。

■調整法
ネギの白い部分を、生薬で葱白(そうはく)といいます。

■利用方法
◎民間療法
ネギは、かぜ、頭痛、解熱(げねつ)に細かく刻み大さじ2杯、おろし
生姜小さじ1杯または、味噌を少し入れて、熱湯を注ぎ、良くかき混ぜて、
汁とネギを飲み、すぐに就寝すると、汗が出て、熱を下げます。

◎シップ
咳止め、不眠症、のどの腫れ、痛みには、ネギを小口切りにして、適量を
ガーゼに包んで、熱湯をかけて、冷ましてから、温湿布します。

◎外用
切り傷にはネギを火にあぶってもんで、その汁を付けると効き目があると
されます。

※しかし、寝汗をよくかく者や、風邪でも口が渇き発熱して、すでにジットリ
と汗をかいているような時は避けてください。
さらに発汗して体力を落としてしまいます。

身近な薬草100選: オケラ

別名:白朮 ビャクジュツ
                  薬用部位:根茎
                  使用量:5~10g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:健胃.整腸.利尿.下痢.腹痛.神経痛.リュウマチ

大みそかの夜、京都の八坂神社の社前でたかれる火にオケラという植物がくべ
られるので、おけら火やおけら参りと呼ばれるようになりました。
平安時代から正月行事に欠かせないお屠蘇にもこのオケラは主薬として配合
されています。
昔、梅雨のころ、倉庫でオケラをいぶして湿気を払い、衣服や和本のカビを
防いだといわれ、オケラは古くか人々の生活に溶け込んだ大切な薬草でした。

■調整法
花が終わる晩秋から初冬にかけて根茎を採取します。
根茎は水洗いしながら、茎やひげ根、土砂を除き、外皮をはぎ取って、天日で
干した後、日陰で完全に乾燥させます。
これを生薬の白朮(びゃくじゅつ)といいます。

■利用方法
漢方では健胃.整腸.利尿として多くの処方に配合されて用いますが、単独で
薬用とすることはほとんどありません。

朮(じゅつ)はオケラ属植物の根茎から調製される生薬で、白朮(びゃくじゅつ)
と蒼朮(そうじゅつ)に分かれます。
白朮は、オケラとオオバナオケラの根茎から調製された生薬で、蒼朮はホソバ
オケラの根茎から調製された生薬です。

白朮はとくに胃症状の激しくない、弱い体質の病人に使用するもので、胃腸が
弱く腹がはるとか冷えて腸が悪く腹痛があるとかいう場合や胃弱な下痢の場合に
多く用います。

◎除湿
除湿の目的で根茎を室内でいぶすと、湿気を払ってカビの発生を防ぎ、蚊取りに
も効果があるとされています。

身近な薬草100選: ニンニク

別名:大蒜 タイサン
                  薬用部位:鱗茎
                  使用量:適量
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:健胃.発汗.利尿.整腸.痰切り.強壮.補温

日本には平安時代にシルクロードと、中国直接の2つのルートで、薬用として
伝わりました。
昔から邪気払いのシンボルとして農家の出入り口に束ねてつるしたりして
いました。

■調整法
オオニンニクの鱗茎(りんけい)を掘つて乾燥したものが生薬の大蒜(タイ
サン)です。
ニンニクやセイヨウニンニクも同様に大蒜として用います。

■利用方法
漢方では健胃.発汗.利尿.整腸.痰切り.強壮.補温として用いますが、
食用としての方が広く使われています。

◎ニンニク酒
ニンニク約250gを小さくほぐしてから容器に入れて、同量の蜂蜜を加えて、
ホワイトリカー1.8リットルで2~3ヶ月間漬け込みます。

◎塗布
神経痛・リューマチに、すりおろした汁にガーゼを浸し患部に貼ります。
痔には、皮ごと柔らかくなるまで焼いて、皮をはいで布に包み、熱いうちに
つぶして患部を保温します。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前の由来は、ニンニクとは耐え忍ぶという意味の忍辱(にんにく)という
仏教用語から付いたとされます。
仏教では、ニンニクやニラなどの、匂いの強い植物を食べると、元気が出て
精がつき過ぎて、それが原因で邪念を持ち修行に専念ができなくなるから、
僧侶が食べてはいけない食べ物とされているからだといいます。

身近な薬草100選: ニラ

別名:韮 キュウ
                  薬用部位:茎・種子
                  使用量:5~15g
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
効用:強壮.強精.止瀉.遺精.頻尿.利尿.止血

■調整法
茎葉を採取して陰干ししたものを生薬で、韮白(きゅうはく)、種子を日干し
にして乾燥したものを韮子(きゅうし)といいます。

■利用方法
韮子は、強壮、強精、止瀉薬としてインポテンツ、遺精、頻尿、帯下(こしけ)、
下痢などに砕いてから、1日量2~8gを3回に分けて水で服用します。

また、頻尿で尿の回数が異常に多い場合や腰痛などに、韮子を1回量30~40粒
をぬるま湯か水で直接飲むと効き目があるとされます。

※最近はこの韮子をサプリメントとした、『ニラ種パワー』という商品も出て
いて、高齢の男女が安心して飲める強壮剤として多く利用されています。

新鮮な葉には、ニンニクに含まれるアリインなどの硫黄化合物を含んでいるので、
強壮、強精、下痢止めなどには、葉を味噌汁にしたり、味噌和え、ニラがゆ、
ニラ雑炊などにして食べるとよいでしょう。