漢方用語集: (68) 溏泄(とうせつ)泄瀉(せつしゃ)

便のお話の3回目ですが、漢方ではその性状により溏泄(とうせつ)泄瀉
(せつしゃ)に大きく分けています。

溏泄(とうせつ):泥状便のことで、湿が原因に疑われます。
泄瀉(せつしゃ):水様便のことで、寒が疑われます。

そして、においが強いほど熱が強いことを意味しています。
毎日の排便は、健康チェックに重要な情報です。

漢方用語集: (67) 鶏鳴下痢(けいめいげり)

前回、裏急後重(りきゅうこうじゅう)という下痢の状態をお話しました。
漢方は、下痢といっても、その状態を細かく観察分類していきます。
鶏鳴下痢(けいめいげり)とは、明け方の一番気温が下がる(鶏が鳴くころ)
ときの下痢のことです。
正常な人の排便は、朝起きて朝食をとった後に、腸が刺激を受けて便意を
感じてからです。
朝食前やまだ寝ているときに便意を催して、排便するのは異常で、たとえ便が
水様性でなくても、下痢ととらえます。

五更の刻(夜明け前)の下痢という意味で、五更瀉(ごこうしゃ)ともいい
脾腎陽虚(じんようきょ)という冷えが強い場合に起こります。

漢方用語集: (66) 裏急後重(りきゅうこうじゅう)

ノロウイルスの記事が毎日目に入ってくると、ちょっと下痢しても、なんだか
心配ですね。

裏急後重(りきゅうこうじゅう)、これは”しぶり腹”ともいい、頻繁に便意
を催すが、出そうで出ない状態、又は出てもしぶってスッキリ出ない状態を
いいます。
感染性の下痢の場合、この裏急後重がよく起こります。

漢方用語集: (65) 四肢厥逆(ししけつぎゃく)

寒くなってきましたね。
手足が冷えることを漢方では四肢厥逆(ししけつぎゃく)または、四肢厥冷
(ししけつれい)といいます。

厥(けつ)とは、詰まって流れない意味を持っています。
漢方では、附子(ブシ:トリカブトの根)の入った漢方処方を使いますが、
附子は毒性かあり、劇薬となりますので専門家の診断をあおいだ上での服用が
必要となります。

漢方用語集: (64) 和法 (わほう)

治法のひとつ和法(わほう)は、今までの発汗・嘔吐・下痢のような攻撃的な
治療法ではなく、若井るいは調和作用によって、病邪を消し去ろうとする方法
です。

調和とは機能を調整して、回復させていくという意味です。

風邪の後期で、発汗などさせずに小柴胡湯(しょうさいことう)を使うのが、
この治療法です。

漢方用語集: (63) 下法 (げほう)

治法のひとつ下法(げほう)は、下剤を使って腸管内に停留している便・食物
さらには水分や熱、お血などを排出し取り去ろうというものです。

悪いものを食べたとき、下痢をするのは、体が身を守るために邪を排出しよう
としている正常反応なのです。こんなときに、下痢止めは厳禁。

大黄(だいおう)が代表的な生薬ですが、下して取り除いた後は、継続して
使用しないようにしましょう。

また、最近ブームになっている『腸洗浄』もこの理論と同じです。

漢方用語集: (62) 吐法 (とほう)

治法のひとつ吐法(とほう)は、催吐薬を使って咽喉・胸膈・胃に停留して
いる邪を取り去ろうというものです。

ただ、催吐薬のほとんどが薬性が峻烈、有毒で反応も強いため、めまいをひき
起こしたり、嘔吐が止まらなくなることも多く、使用には十分注意が必要です。
特に虚弱者、妊婦には慎重を要します。

古来、救急法として用いられていましたが、現在は漢方でこの治療法を使う
ことは少なくなっています。瓜蔕(かてい:マクワウリのヘタ)が催吐薬です。

漢方用語集: (61) 汗法 (かんぽう)

治法のひとつ汗法(かんぽう)は、解表薬(汗を出す薬)を使って汗とともに
外邪を追い出そうとするものです。

ただ、日ごろから汗をかきやすいタイプの人やすでに汗かいている時には
使えない治療法です。
代表的な処方は風邪の漢方で有名な『葛根湯』があります。

漢方用語集: (60) 治法 (ちほう)

漢方の治療法則(治法)の代表的なものには
汗法(かんぽう)・吐法(とほう)・下法(げほう)・和法(わほう)
そして、相対的に
温法(おんほう)・清法(せいほう) 補法(ほほう)・消法(しょうほう)
があります。
次回から、それぞれを具体的に説明していきましょう。

漢方用語集: (59) 痺症 (ひしょう)

痺(ひ)という文字は、『しびれ』と読みますが、漢方では
「つまって通じない」という意味があります。
そして、その「つまって通じない」病気をさし、痺症 (ひしょう)といい、
腰痛、神経痛、関節痛、リウマチなどを総称していいます。

 つまり、痛みが起こるのは体内を巡る気血の流れが滞ったためと
考えられています。何らかの原因によって新陳代謝が低下したり、
阻害されたりすると、血液の循環が悪くなり、そのため体内で関節や神経に
栄養の補給ができなくなったり、老廃物が蓄積されて痛みが起こると
考えています。
冬の冷えもそのつまらせる原因のひとつです。