56.葡萄(ブドウ)

ブドウの原産地は西アジアで、中国で最初にブドウの効能が記載された書籍は1~2世紀の『神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)』です。
 わが国には奈良時代にあたる8世紀に渡来した果物です。特有の甘味の主体はブドウ糖で、これに果糖・庶糖・転化糖が混じり合っています。酸味は、酒石酸・クエン酸・リンゴ酸などの有機酸が作りだし、軽い渋味はタンニン酸がもたらします。
 中国漢方では、のどの渇きや痛みを治し、利尿作用があり、食欲を増進し、顔色を良くし、血液を増加させる滋養強壮の果物とされています。
 またブドウから作られたブドウ酒は食欲増進・増血・血行促進の薬用にヨーロッパでも使われ、料理に使われる酢は大半がワインビネガーです。
 目に良いと言われているブドウを食べ過ぎると体に熱がこもり、目に悪いと古い書籍に記載されています。気をつけましょう。