14.ゴボウ(牛蒡)
ゴボウは日本では昔から、「船の船頭衆と金平ゴボウは色の黒いのが良い」ていわれ、強壮の食物として有名でした。古来、漢方の五行学説の立場からは、色の黒い食物はみな腎を補う作用を持つものとされ、黒豆とともに補腎強壮の代表的食物でした。よく知られているように根を食べるのは日本だけで、ヨーロッパでは葉をサラダにするそうです。
ゴボウは、血液循環をよくし、新陳代謝を強め、大小便の出がよくなり、古血をとる作用があつて、血の道によく効くといわれています。脳卒中の予防にも効果があり、抗ガン作用もあるので、胃ガン、子宮ガンの予防に常食するとよいといわれています。以上のように、血液の解毒に特にすぐれた食品といえます。
植物繊維も多いので便秘によく、血糖降下作用もあるので、糖尿病の方にも適しています。新鮮なゴボウを煮たり、お粥に入れたり、いろいろな形で食べるようにしたいものです。
また、ゴボウの種は牛蒡子(ごぽうし)または大力士(だいりきし)と呼ばれ、解熱、のど痛、利尿、排膿作用をもつ漢方として繁用されてきた重要な薬物です。産後の乳腺炎でお乳の出が悪いときなど、安心な消炎薬として試してみてください。ゴボウはよく血液を解毒しますが、アクがあるので、湿疹やアレルギー性皮膚炎などの人はいきなり多食してはいけません。一時的にひどくなることがあります。