53.茗荷(ミョウガ)

ミョウガは日本原産で、しかも日本でしか食用とされない野菜のひとつです。中国では食用としませんが、江西や浙江などの山村に生えていて、葉やミョウガを煎じたり、汁などを薬用としています。
 物覚えの悪い般特という坊さんは自分の名前まで忘れてしまうので、かわいそうに思ったお釈迦様が、名前を書いた札を首にかけてやったところ、その札のことまで忘れてしまった。般特が死んで葬られた墓からおかしな草が生えたので、名前を荷った般特にちなみに茗荷という名前がつけられたという話があります。
 花序と若芽には精油や辛味成分を含むほか、ビタミン類やミネラルなどもあり、昔から薬味や漬物として用いられました。精油は補温性の浴料となるほか、しもやけなどに効果があります。
 ミョウガの生葉を粗く刻み、手拭い二つ折りの袋にたくさんつめて、浴槽に浮かべて入浴すれば、香りもよく、湯冷めしにくくてからだが温まりますから、神経痛やリュウマチ、肩こり、腰痛、冷え性などに効きます。浴槽の中で、袋をもんで精油を出すようにすればいっそう効果的です。