12.ゴマ(胡麻)
《ゴマ化す》《ゴマをする》・・・中国の胡(こ)の国より伝えられた麻(あさ)に似た植物は、私たちの生活に密着した食べ物だったようです。
ゴマは漢方薬としても大切ですが、単なる食品と考えてもすぐれた内容をもっています。たとえばゴマにはリノール酸やリノレイン酸といった天然の不飽和脂肪酸がふんだんに含まれています。この不飽和脂肪酸は血管壁の余分なコレステロールを溶かして除去します。しかしこれらも酸化すると、身体に有害な物質になってしまうという欠点を持っているのですが、ゴマはこの酸化を防ぐビタミンEも同時に多く含んでいるので、その点大変合理的というわけです。
また、漢方の古い書物にあるゴマ(黒胡麻)を効用でまめると、肝、腎を中心に身体を補う強壮作用、腸を滑らかにして大小便の出をよくする作用、血をつくる作用などです。特に貧血で疲れやすく、白髪も目立ちはじめ、便通もスムーズでないような人は、毎日欠かしたくない食品であるということです。
なお、ゴマには黒、白、茶の3種がありますが、健康食としてはぜひ黒ゴマを選んでください。