25.フキ(蕗)

まだ雪の残る山道で、いち早く春を告げるふきのとう・・今でこそ冬でも多くの野菜が食卓を彩っていますが、昔は自然が与えてくれた春一番の青物だったのです。
 葉が出る前に、根から太い花茎を出したのがふきのとうで、知らない人が見ると花と間違ってしまいます。閉ざされた暗黒世界から勢いよく顔を出すところより、精力増強の漢方食として活用されてきました。
 一方、ふきの葉(ふきのとう、ふきでもよい)は咳止めの妙薬として、今でも咳が出ると、ふきの葉をとってきて常用する地方があるそうです。咳が出やすい人、ぜんそく持ちの人、それに呼吸器系の病気でやせ気味の人に、ぜひ試していただきたいのが、このふきの葉です。特にこれのおひたしがよく、ほかに味噌汁に入れるのもいいでしょう。