24.シソ(紫蘇)
日本でシソといえば食品としての方が通りがよいのですが、中国ではむしろ薬草として用いられることの方が多いのです。
薬草書によれば「生の薬は一切の魚肉の中毒を治す。また一般に胃および大小腸の働きをよくし、腹痛、下痢を治す。寒熱を除き、一切の冷えおよび風邪を治す。痰を消し、肺を利し、喘咳を止める」とあります。
現代その効用と伝統は日本料理の刺身のつまとして生きているのです。単なる色どりだけでなく、中毒の予防とした古人の知恵を思い出し、シソの葉は必ず食べるようにしたいものです。
また、風邪などの場合の発汗解熱剤、鎮咳剤、健胃剤、利尿剤、神経症などにも多く用いられています。
シソの実も茎葉同様に用いられますが、鎮咳作用の方は実がやや勝れ、発汗解熱作用は茎葉の方が勝れています。神経症のからんだ鎮咳剤、健胃剤としては抜群の効果を持ち、例えば神経質で終始エヘンエヘンと空咳ばかりしているような人には、うってつけの野菜といえます。このような場合には、漢方方剤として半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)というシソの葉を含んだ薬があるのでおすすめします。その他、胃腸の弱い人の風邪には、香蘇散(こうそさん)があります。