15.タマネギ(玉葱)

タマネギは、エジプト・メソポタミア文明の初めから、貯蔵のきく食物として栽培されてきたユリ科の多年草で、わが国には明治の初期にもたらされました。
漢方医学的では胡葱(こそう)と呼んで、身体を温め、疲労を回復し、滋養強壮の効用を持つ食物とされています。また、小便の出が少なく、浮腫を生じたとき、 アズキとともに煮て、利尿・むくみとりに用います。
また、胃の消化液の分泌を助けて、食欲を増進させ、弱っている胃腸を整える作用もあります。目を刺激する特異な匂いは、二硫化プロピルアリルという物質で、これが胃液の分泌を促進し、食欲を増進させるのです。生のサラダやおろし汁は、不眠症や神経衰弱にも効果があります。タマネギのスライスを枕もとにおく民間療法も有名です。
さらにタマネギには、すばらしい効果が科学的に証明されました。血液中の糖分分解作用と血液が固まるのを抑える作用です。糖尿病・高血圧・動脈硬化が心配な方は、生のタマネギをしっかり食卓に・・・是非試みてください。もちろんタマネギさえ食べていれば健康が保てるという意味ではありません。血栓を防ぐ野菜は他にもあることが確かめられています。特にタマネギのように”香りのつよい野菜”にはこの働きがあることを覚えておかれるといいでしょう。