35.コンブ(昆布)
コンブは、日本産のものだけでも十余種にも及びますが、主に寒潮区域に多く生育し、熱帯地方には棲息していません。日本では、北海道を主産地として三陸一帯にも生育し、古くから日本特産として中国にも輸出されていました。
コンブもまた中国の薬物書に収載されている薬効をもった食品です。「十二種の水腫を治し、腹部の塊を去り、できもの及び甲状腺腫などを治す・・」とあり、またコンブを含んだ古典の有名処方として昆布丸(腹部の塊や咽喉、胸のつかえをとる)や昆布散(るいれきや結核を治す)などがあります。
現代中国医学における主な効用は、甲状腺腫・リンパ結核・慢性気管支炎・水腫・脚気・るいれき・睾丸腫痛などです。
コンブは、昔ヨードの製造原料としたぐらいヨードを多量に含んでいるので、特に甲状腺腫にはよく効きます。その他、白血病の予防や血圧降下剤としての作用もあります。またコンブをはじめとする海藻類は、他の食品に比べて、血色素を形成するのに必要な鉄や銅を大変多く含んでいます。悪性貧血などの血液疾患に、海藻類はうてっつけの食品といえます。
しかし、胃腸が冷えて下痢をしやすい時は、多食を避けてください。