”痰”を除いて、からだもスッキリ ボケた頭もスッキリ!

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第50回東洋医学会において、「アルツハイマー病と加味温胆湯の臨床効果」と題して、東北大学・北里大学の医師らによって、発表されました。漢方薬は、通常「症」をとり治療を行いますが、体質にこだわらずアルツハイマー病の(AD)入院患者に投与しました。年齢は、61歳から85歳までの男女20人の患者が対象となりました。内服期間は、5か月から13か月。 西洋のAD治療薬の投与を中止し、加味温胆湯を1日2回の煎じ薬を投与しました。
まずは、心配された副作用が全くなかったことということです。結果は、著効は、2例 有効は、5例と発表されました。著効・有効と判断された患者は、情動面・自発性・注意力など改善がみられました。中には、数日で介護者も驚くほど明らかな情動面での改善がみられたと発表されました。全体的には、易怒性・切迫感・焦燥感のあるものに有効ということです。加味温胆湯は、アルツハイマー病の患者の治療薬として今後検討する意義のあるものと考えられます。(第50回東洋医学会発表の要約)

むし暑くて寝苦しい夜は、悪い夢にうなされることがあります。日本には古くから、この悪夢をバク(獏)が食べてくれるという言い伝えがあります。バクの伝説は中国にもあり、邪気を追い払う魔除けの力を持った動物として、屏風絵などに描かれることが多く、その皮を敷いて寝ると湿邪を払うともいわれています。「悪夢を食べる」「湿邪を払う」という日中のバク伝説は、一見無関係に思えますが、漢方の視点からは共通しています。
日ごろ、脾胃(胃腸消化器系)の働きの弱い人が、水分を取りすぎたり、高い湿度やストレスの影響を受けると、体内に病的な水(湿邪)が溜まりやすくなります。これが長く停滞すると粘りッこい”痰”になります。この痰は体の各部に悪影響を与え、精神におよぶと、不眠・イライラ・ゆうつ感・不安感・幻覚などの症状が現れます。その胸苦しさから、悪夢にうなされることとなります。つまり湿邪”痰”と悪夢は密接な関係にあります。
痴呆症も脳血流の問題だけでなく、この”痰”のつまりが大きく関係しています。中国漢方ではこの化痰薬(痰を除く薬)のバクの絵がパッケージになっている星火温胆湯と活血薬(血行改善薬)の冠元顆粒が、痴呆に効果を出しています。