32.ネギ
子供のころは誰も臭みのあるネギを食べるのを嫌がるものですが、大人になれば薬味として無かったりすると、逆に気の抜けたように思うものです。
風邪のとき、熱々のうどんにたっぷりのきざみネギや、おろしショウガを加えて食べるとか、きざみネギに生味噌を加え、熱湯を注いでよくかき混ぜて熱いのを飲むなど・・・おばあちゃんの知恵を思い出してください。
ネギはショウガやトウガラシと並んで辛味の代表ですが、この辛みの強いものはみな発汗作用があり、風邪の初期の治療に利用できるものです。実際、、ネギの白茎部は葱白(そうはく)といってれっきとした漢方薬です。中国医学では辛温解表薬(味が辛く、温める作用があって、発汗させて病気を治す)として分類されています。
現代、ネギには、その強い発汗作用と消化を促進させる健胃作用・去痰作用・血液循環作用が確認されています。しもやけに、ネギを焼いて患部に貼り付けたり、煮汁でシップするのも理解できます。
しかし、寝汗をよくかく者や、風邪でも口が渇き発熱して、すでにジットリと汗をかいているような時は避けてください。さらに発汗して体力を落としてしまいます。