10.モチ米(糯米)
ストーブが登場する季節には、おモチを食べる機会がぐ~んと増えてきます。そして、正月が終わるころには食べ過ぎて、ニキビの悪化を訴えて薬局に来られる方が目につきます。
江戸時代の書籍にも、『モチ米は痘瘡(ほうそう)を発疹しやすくし、冷えて小便が近いものを治すが、粘って胃にもたれるので、小児や病人には注意が必要で、久しく食べるとできものができる』と書いてあります。逆におモチや赤飯を食べると、母乳の分泌がよくなることも、よく知られています。
私たちが毎日食べている普通の米には、ニキビや湿疹を悪化させる作用もないかわりに、母乳の分泌を促進したり、夜尿症を治したりする特別な効力もありません。しかし、このような作用がないからこそ、無害で常食できるわけで、ふだんモチ米を食べないのも自然が教えた知恵といえるでしょう。
いずれにせよ、ニキビが気になる人、おできや湿疹のできやすい人は、のぼせ症、蓄膿症、慢性気管支炎、アレルギー低湿の人は、おモチや赤飯は多食したり常食しないほうが賢明です。