29.トウモロコシ(玉蜀黍)

トウモロコシを焼く香ばしい匂いは、夏から秋にかけての味覚ですが、これは未熟果、熟した実も穀物として利用します。コーンフレーク・ポップコーンなどいろいろに加工されています。
 トウモロコシはアメリカ原産で、もともとインディアンが食料としていたものをコロンブスが持ち帰り、スペインに種子をまいて以後、ヨーロッパからアジアに広まったといわれます。日本には戦国時代にポルトガル人が持ち込み、はじめは南蛮黍(きび)と呼ばれていたそうです。
 トウモロコシには、以外とタンパク質や脂肪が多く、比較的多量のグルタミンが含まれていて、健脳効果があります。漢方の古書の本草綱目では「甘・平・無毒・中を調え・胃を開く」とあります。
 またコーン油は、不飽和脂肪酸が多くて、コレステロールを下げ、高血圧・動脈硬化・狭心症などの予防と治療に効果があります。
 しかし薬用として最も利用されているのは、トウモロコシの毛と呼ばれるめしべの花柱です。南蛮黍の毛の意味か?南蛮人の毛に似ているからか?南蛮毛と書き、ナンバ毛と呼びます。昔から腎臓病に用いられ、利尿・血圧降下作用があります。