1.トマト(蕃茄)

今日では私たちの食生活に欠かせないトマトですが、文献を見ると、その歴史は浅く、日本では江戸時代に初めて蕃茄(ばんか)という名で登場しています。しかし、当時は食用にはされず、もっぱら観賞用になっていたようです。
トマトは夏の野菜であり、身体の熱をとる作用があり、中国医学では清熱解毒・涼血平肝の効があるとしています。低カロリーで、肥満の人、糖尿病の人などは、まずトマトを食べて腹ごしらえして、あとで少し食べるとよいでしょう。生のトマトは、脂肪の消化を助けるとされ、肉や魚の付け合せとしては最適です。
トマトの作用で最近脚光を浴びているのが、血圧を下げる働きです。中国では高血圧患者の補助療法として、トマトを食べるように勧めています。やはり同じ目的で、ドイツでも高血圧患者にトマトジュースを勧めていますが、市販のジュースは塩分が多いので、自家製で・・・
またトマトには、内臓や血管をコントロールしている自律神経の働きを調節するアトロピンという物質に似た成分が含まれています。こり成分には緩下作用(緩やかに便通をつける)もあるので、便秘も解消してくれます。
ただし、トマトは身体を冷やす作用があるので、冷え症や虚弱な人、お年寄りなどは、生食は控えてください。