9.カキ(柿)とリンゴ(林檎)

これからの食卓に、デザートとして欠かせないのがカキとリンゴ・・ このふたつの果物は、まったく異なる性質をもっていることをご存知ですか?
カキは、ナシ、ミカンと同じく食べると身体を冷やしますが、リンゴは冷やすどころか逆に温めてくれます。したがって、カキは酒の酔いざましや胃に熱があるときに食べると、一時的に効果がありますが、過ぎると下痢をしたりします。冷え性や胃弱の人、さらには妊婦さんには、食べ過ぎに注意のくだものといえます。リンゴの方は、下痢・便秘にすりおろして食べさせたりもします。
では、カキは食べない方が・・というと、そうではありません。カキにはビタミンCが豊富で、1個で1日のCの必要量を満たしています。反してリンゴは、くだものには珍しくCの含有量が少なく、他のビタミン類もほとんどありません。その代わりリンゴには、カリウムと食物繊維が多いことが特徴です。高血圧症の多い東北地方でも、リンゴの産地に限っては患者が少ないのも、このカリウムの効果といわれています。
カキはその葉っぱをカキの葉茶として、ヘタはシャックリの特効薬、渋は卒中の予防にと、その効き目についても古くから認められ、命を守る主食にも負けない「命の果物」と信じられ、『柿の木百本もてば百石取りと同じ』とも言われていました。 そしてリンゴにおいては、ドイツに『毎晩1個のリンゴは医者を廃業させる』という諺まであります。
それぞれの特徴を理解して、適量をおいしく食べたいものです。提案としては、カキは朝食のデザート、リンゴは夕食のデザートにいかがでしょうか?