19.レンコン(蓮根)
レンコンはハス(蓮)の根・・2千年も前のハスの種子が、発芽して、花を咲かせた報告があることからもわかるように非常に生命力の強い植物です。
多くの食品は何らかの薬用価値をもっているものですが、ハスの価値は高く、花も葉も実もすべて薬用に用いられます。ここでは、手近なところを紹介しましょう。
レンコンは漢方では藕(グウ)といい、貧血症の人や、胃・十二指腸潰瘍で吐血・下血あるときなどの、失血性の疾患によく効きます。レンコンを切って空気に触れると、切り口が黒くなりのは、成分の鉄とタンニンが引き起こす現象です。このように鉄分が多いため、増血作用が強くなるのです。さらに、しぼり汁は胃部の不快感を除いてスッキリさせるし、咳止め・ぜんそくの発作止めともなります。
また、藕節(グウセツ)といわれるハスの節の部分には、大変強い止血作用があります。ハスの節を主成分とする痔の止血薬が市販されているほどです。乾燥して煎じたり、黒焼きにします。
中国菓子の材料としてよく用いられているハスの実には、滋養強壮とともに精神安定に、ハスの葉はダイエットに効用があります。