11.ダイズ(特に黒豆)

さて、今年のおせちの黒豆は上手に出来上がっていましたか。マメに働くという意味のほか、その色の黒さは健康を表しています。
大豆は五穀(麦・アワ・キビ・米・大豆)のひとつで、漢方医学では腎を養う重要な穀物です。ただ大豆といっても、黄、緑、褐、黒色とさまざまな種類があり、それぞれの効用がありますが、薬効という点では群を抜いています。
中国の古書にはその効能について、「砕いて外用とすれば一切の腫れものを治し、男女の陰部の腫れものを治す。生大豆を内服すれば水腫を除き、胃中の熱を去り、小便淋瀝するを治し、古血を下し、穀を下し、腹張を止める。また、諸毒を消し、腎を補い、血を活し、風を散じ、腫を消す」とも述べられています。
簡単にまとめると、①腎を補い利尿作用もあるので、浮腫しやすい人に ②寝汗をかきやすく、疲れやすい人に ③リウマチ性の疾患を持つ人に ④安胎作用もあるので妊婦の方に ⑤種々の食品や毒物の解毒に ⑥湿疹やできものの外用に ⑦良質のタンパク源に 常食することが勧められます。
大豆は食品としても大変用途が広く、昔から味噌・しょうゆ・豆腐・納豆・きなこ・ゆば等の原料とされ、現代では植物性の人口肉や、その豊富なアミノ酸構成からダイエット食品としてなど、多彩に利用できます。