16.ラッキョウ(薤)

ラッキョウは、中国が原産と言われています。食用として用いられたのはいつ頃からかわかりませんが、薬用としては古くから使われています。漢方医学の重要な古典の一つである「金匱要略」(きんきようりゃく)の中に、瓜呂薤白白酒湯(かろがいはくはくしゅとう)という処方が出てきます。薤白とは、ラッキョウのことです。瓜呂とは、キカラスウリの種子のことで、これとラッキョウとを酒で煎じるもので、心臓病の薬です。なんと2000年も前に、現代病の狭心症発作予防に効果のある薬がラッキョウを使って作られていたのです。
身近に、こんな薬効が隠れた食べ物があったのです。胸の締め付けられるような痛みで、舌下錠のニトログリセリンが手放せない方、、心臓に自信のない方は、1日あたり2~3個のラッキョウを食べてみてはいかがですか。化学薬品に頼りきってしまう前に、毎日のラッキョウで大切な心臓を守ってください。ラッキョウは味噌をつけても、塩や酢漬けでも、お好みに合わせて下さい。