52.桜桃(サクランボウ)
サクランボウは、東洋では桜桃(オウトウ)と呼ばれ、中国ではすでに唐の時代の薬物書に咳止めとして、その果実が記されています。しかし、わが国で栽培が始められたのは、明治に入ってからです。
原産地は中央アジアで涼しい気温を好み、福島・山形・秋田・北海道などで栽培されています。美しいピンク色はケラシアニンという色素で、ビタミンA・B1・B2・Cや、ミネラル、ことにカリウムを多く含んでいます。甘味成分として転化糖や庶糖が、また酸味として、クエン酸・リンゴ酸・酒石酸が入っています。
薬効としては、鎮咳作用をもつアミグダリンが含まれているため咳止めとして働き、1日10個くらいを食するとよいでしょう。また強壮剤として元気をつけ、顔色をよくする効果をもち、美人をつくるといわれています。またヨーロッパでは便秘時の通便の果物として用いられています。
また、サクランボは他の露地の果物より一歩早く熟するのでその性質は「熱性」といわれています。熱っぽい高血圧の人などはおいしいといって食べ過ぎないようにした方がよいでしょう。