38.ウメ(梅)

幼い頃、おなかをこわした時など、お粥にウメ干しを入れて食べさせられたりしたものでした。昔の人が科学的なウメの効用を知っていたかどうかはわかりませんが、長年の経験から、ウメの持つすばらしい効用を生活の知恵として伝承してきたのです。
 ウメの生には有毒成分があるので、ほとんどが加工品となります。日本ではウメ干し・ウメ酒・梅肉エキスなどが代表ですが、中国では烏梅(うばい)・酸梅膏・糖梅などの加工品がたくさんあります。烏梅は、完熟前の青梅をわら火の煙でいぶして燻蒸乾燥させ、鳥のように真っ黒になったもので、歴として解熱・収斂(止血・鎮痛)・駆虫の漢方薬です。
 ウメ干しは、殺菌・食欲増進・消化を助け、酸化した血液をアルカリ化し、さらに口臭や肉魚の生臭みを消します。ウメの貴重な成分の一つであるクエン酸は、身体に必要なカルシウムの吸収を促し、エネルギー代謝をスムーズに回転させてくれます。
  また梅肉エキスは、青梅1キロからわずか20gしかできません。それだけに同量のウメ干しのおよそ30倍以上の食効があります。
 ウメ酒は、夏場の食欲のないときに飲んで、夏バテを防ぎます。食前酒または寝酒に、1日さかずき1杯を・・・