20.ダイコン(大根)
ダイコンほど親しまれ、色々な使い方をする野菜も少なくないでしょう。生ならダイコンおろし、細切りにしてサシミのつま、色々な煮物から味噌汁の具、おでんにタクワン、実にさまざまな利用の仕方があります。
ダイコンといえば、ジアスターゼ。ご存じのように胃腸の消化を助けるものです。ただ、その際、気をつけなければならない点は、生で食べたときと、効用に差があるということです。生で食べればその性質は冷で、煮て食べればその性質は平(普通)となります。
ダイコンおろしを、焼き魚や肉類などの熱性の食品に付け合せれば、胃にもたれることはありません。また、お酒を飲んだ後にもよいのです。したがってこの熱をとる作用は、口内炎や胃炎、胸やけにも効きます。
逆に胃下垂、胃拡張など胃が冷えやすい人は、生は控えて、煮て食べるようにしなければなりません。
また、ダイコンの薬能は『肺を潤し、痰を除き、風邪を治し、熱を下げ、咳を治し、大小便をよく出し、胃を拡げ食物を消化する。』とあります。小児や妊婦の咳・痰・のど痛などには、おろし汁に蜂蜜を加えて飲むと効果があり、安心です。
もう一つ忘れずに利用したいのが、ダイコン葉です。豊富なカルシウム摂取源ですから、ぜひ捨てずに食べてください。あとダイコンの種は、”らいふくし”呼ばれ、麦芽や山査子(さんざし)とともに消化剤として使われています。