旬の食べもの:
17.カボチャ(南瓜)

カボチャの原産地はメキシコ。ポルトガル人がカンボジアから日本へ持ってきたというので、カボチャと呼ばれるようになったといわれています。
煮物・揚げ物に色々と利用され、イモ類と並んで肥満の元と誤解されやすいのですが、実際のカロリーはサツマイモの半分以下です。体内に吸収されてからビタミンAに変わるカロチンという色素を多量に含んでいるので、食べ過ぎるとミカンと同じように、身体が黄色くなることもあります。また多量の繊維質があり、常習便秘の人に適します。どの種類にもかなり多くのカロチンが含まれていますが、品種によって差があり、一般的には、肉質部が黄色い色の濃いものほどカロチンの含有量が多いのです。表面が黒っぽく、みぞやこぶのある日本カボチャより、表面が朱や緑でなめらかな西洋カボチャのほうがカロチンの量が多いといえます。つまり、カボチャを多く食べると、ビタミンAも多く摂取できるということです。ビタミンAは鼻やのどの粘膜を守り、感染症への抵抗力を高めるビタミンです。冬至にカボチャを食べる習慣は、冬に備えた古人の知恵です。
また、カボチャの種は、女性の尿失禁に有効なことで注目をあびています。
旬の食べもの:
16.ラッキョウ(薤)

ラッキョウは、中国が原産と言われています。食用として用いられたのはいつ頃からかわかりませんが、薬用としては古くから使われています。漢方医学の重要な古典の一つである「金匱要略」(きんきようりゃく)の中に、瓜呂薤白白酒湯(かろがいはくはくしゅとう)という処方が出てきます。薤白とは、ラッキョウのことです。瓜呂とは、キカラスウリの種子のことで、これとラッキョウとを酒で煎じるもので、心臓病の薬です。なんと2000年も前に、現代病の狭心症発作予防に効果のある薬がラッキョウを使って作られていたのです。
身近に、こんな薬効が隠れた食べ物があったのです。胸の締め付けられるような痛みで、舌下錠のニトログリセリンが手放せない方、、心臓に自信のない方は、1日あたり2~3個のラッキョウを食べてみてはいかがですか。化学薬品に頼りきってしまう前に、毎日のラッキョウで大切な心臓を守ってください。ラッキョウは味噌をつけても、塩や酢漬けでも、お好みに合わせて下さい。
旬の食べもの:
15.タマネギ(玉葱)

タマネギは、エジプト・メソポタミア文明の初めから、貯蔵のきく食物として栽培されてきたユリ科の多年草で、わが国には明治の初期にもたらされました。
漢方医学的では胡葱(こそう)と呼んで、身体を温め、疲労を回復し、滋養強壮の効用を持つ食物とされています。また、小便の出が少なく、浮腫を生じたとき、 アズキとともに煮て、利尿・むくみとりに用います。
また、胃の消化液の分泌を助けて、食欲を増進させ、弱っている胃腸を整える作用もあります。目を刺激する特異な匂いは、二硫化プロピルアリルという物質で、これが胃液の分泌を促進し、食欲を増進させるのです。生のサラダやおろし汁は、不眠症や神経衰弱にも効果があります。タマネギのスライスを枕もとにおく民間療法も有名です。
さらにタマネギには、すばらしい効果が科学的に証明されました。血液中の糖分分解作用と血液が固まるのを抑える作用です。糖尿病・高血圧・動脈硬化が心配な方は、生のタマネギをしっかり食卓に・・・是非試みてください。もちろんタマネギさえ食べていれば健康が保てるという意味ではありません。血栓を防ぐ野菜は他にもあることが確かめられています。特にタマネギのように”香りのつよい野菜”にはこの働きがあることを覚えておかれるといいでしょう。
旬の食べもの:
14.ゴボウ(牛蒡)

ゴボウは日本では昔から、「船の船頭衆と金平ゴボウは色の黒いのが良い」ていわれ、強壮の食物として有名でした。古来、漢方の五行学説の立場からは、色の黒い食物はみな腎を補う作用を持つものとされ、黒豆とともに補腎強壮の代表的食物でした。よく知られているように根を食べるのは日本だけで、ヨーロッパでは葉をサラダにするそうです。
ゴボウは、血液循環をよくし、新陳代謝を強め、大小便の出がよくなり、古血をとる作用があつて、血の道によく効くといわれています。脳卒中の予防にも効果があり、抗ガン作用もあるので、胃ガン、子宮ガンの予防に常食するとよいといわれています。以上のように、血液の解毒に特にすぐれた食品といえます。
植物繊維も多いので便秘によく、血糖降下作用もあるので、糖尿病の方にも適しています。新鮮なゴボウを煮たり、お粥に入れたり、いろいろな形で食べるようにしたいものです。
また、ゴボウの種は牛蒡子(ごぽうし)または大力士(だいりきし)と呼ばれ、解熱、のど痛、利尿、排膿作用をもつ漢方として繁用されてきた重要な薬物です。産後の乳腺炎でお乳の出が悪いときなど、安心な消炎薬として試してみてください。ゴボウはよく血液を解毒しますが、アクがあるので、湿疹やアレルギー性皮膚炎などの人はいきなり多食してはいけません。一時的にひどくなることがあります。
旬の食べもの:
13.アズキ(赤小豆)

アズキ(赤小豆)とは、大豆に対して小さいから名づけられたものですが、平安時代『和名抄』には「本草は赤小豆という」とあり、和名は阿加安豆木として、ことさら赤さを強調しています。
漢方ではアズキを赤小豆(せきしょうず)と呼び、解毒・排膿・利尿作用があるとしています。アズキの皮は便通をつける作用があって、お年寄りや虚弱な人の便秘には良いようです。日本では月の1日・15日に小豆粥を食べる習慣があったのも、こうした効能があったからかもしれません。
またお乳の出の悪いときには、アズキを煮て食べるとよく効きます。料理のときは、アク抜きの煮出し汁を捨てるほうがおいしく食べられますが、反対に薬としては一番最初に煮出した部分が大事なのです。おできや乳腺炎などの腫れ物には、アズキの粉を酢でねって患部に貼り付けてみてください。
アズキは、浮腫を伴う疾患や水肥りの肥満にはよく効きますが、長期に用いると皮膚がやや乾燥気味になることがありますが、そのような時はハトムギを一緒に煎じて用います。また煎じたカスのアズキをおしるこなどにして食べると、お腹が張る傾向があるので注意してください。
旬の食べもの:
12.ゴマ(胡麻)

《ゴマ化す》《ゴマをする》・・・中国の胡(こ)の国より伝えられた麻(あさ)に似た植物は、私たちの生活に密着した食べ物だったようです。
ゴマは漢方薬としても大切ですが、単なる食品と考えてもすぐれた内容をもっています。たとえばゴマにはリノール酸やリノレイン酸といった天然の不飽和脂肪酸がふんだんに含まれています。この不飽和脂肪酸は血管壁の余分なコレステロールを溶かして除去します。しかしこれらも酸化すると、身体に有害な物質になってしまうという欠点を持っているのですが、ゴマはこの酸化を防ぐビタミンEも同時に多く含んでいるので、その点大変合理的というわけです。
また、漢方の古い書物にあるゴマ(黒胡麻)を効用でまめると、肝、腎を中心に身体を補う強壮作用、腸を滑らかにして大小便の出をよくする作用、血をつくる作用などです。特に貧血で疲れやすく、白髪も目立ちはじめ、便通もスムーズでないような人は、毎日欠かしたくない食品であるということです。
なお、ゴマには黒、白、茶の3種がありますが、健康食としてはぜひ黒ゴマを選んでください。
旬の食べもの:
11.ダイズ(特に黒豆)

さて、今年のおせちの黒豆は上手に出来上がっていましたか。マメに働くという意味のほか、その色の黒さは健康を表しています。
大豆は五穀(麦・アワ・キビ・米・大豆)のひとつで、漢方医学では腎を養う重要な穀物です。ただ大豆といっても、黄、緑、褐、黒色とさまざまな種類があり、それぞれの効用がありますが、薬効という点では群を抜いています。
中国の古書にはその効能について、「砕いて外用とすれば一切の腫れものを治し、男女の陰部の腫れものを治す。生大豆を内服すれば水腫を除き、胃中の熱を去り、小便淋瀝するを治し、古血を下し、穀を下し、腹張を止める。また、諸毒を消し、腎を補い、血を活し、風を散じ、腫を消す」とも述べられています。
簡単にまとめると、①腎を補い利尿作用もあるので、浮腫しやすい人に ②寝汗をかきやすく、疲れやすい人に ③リウマチ性の疾患を持つ人に ④安胎作用もあるので妊婦の方に ⑤種々の食品や毒物の解毒に ⑥湿疹やできものの外用に ⑦良質のタンパク源に 常食することが勧められます。
大豆は食品としても大変用途が広く、昔から味噌・しょうゆ・豆腐・納豆・きなこ・ゆば等の原料とされ、現代では植物性の人口肉や、その豊富なアミノ酸構成からダイエット食品としてなど、多彩に利用できます。
旬の食べもの:
10.モチ米(糯米)

ストーブが登場する季節には、おモチを食べる機会がぐ~んと増えてきます。そして、正月が終わるころには食べ過ぎて、ニキビの悪化を訴えて薬局に来られる方が目につきます。
江戸時代の書籍にも、『モチ米は痘瘡(ほうそう)を発疹しやすくし、冷えて小便が近いものを治すが、粘って胃にもたれるので、小児や病人には注意が必要で、久しく食べるとできものができる』と書いてあります。逆におモチや赤飯を食べると、母乳の分泌がよくなることも、よく知られています。
私たちが毎日食べている普通の米には、ニキビや湿疹を悪化させる作用もないかわりに、母乳の分泌を促進したり、夜尿症を治したりする特別な効力もありません。しかし、このような作用がないからこそ、無害で常食できるわけで、ふだんモチ米を食べないのも自然が教えた知恵といえるでしょう。
いずれにせよ、ニキビが気になる人、おできや湿疹のできやすい人は、のぼせ症、蓄膿症、慢性気管支炎、アレルギー低湿の人は、おモチや赤飯は多食したり常食しないほうが賢明です。
旬の食べもの:
9.カキ(柿)とリンゴ(林檎)

これからの食卓に、デザートとして欠かせないのがカキとリンゴ・・ このふたつの果物は、まったく異なる性質をもっていることをご存知ですか?
カキは、ナシ、ミカンと同じく食べると身体を冷やしますが、リンゴは冷やすどころか逆に温めてくれます。したがって、カキは酒の酔いざましや胃に熱があるときに食べると、一時的に効果がありますが、過ぎると下痢をしたりします。冷え性や胃弱の人、さらには妊婦さんには、食べ過ぎに注意のくだものといえます。リンゴの方は、下痢・便秘にすりおろして食べさせたりもします。
では、カキは食べない方が・・というと、そうではありません。カキにはビタミンCが豊富で、1個で1日のCの必要量を満たしています。反してリンゴは、くだものには珍しくCの含有量が少なく、他のビタミン類もほとんどありません。その代わりリンゴには、カリウムと食物繊維が多いことが特徴です。高血圧症の多い東北地方でも、リンゴの産地に限っては患者が少ないのも、このカリウムの効果といわれています。
カキはその葉っぱをカキの葉茶として、ヘタはシャックリの特効薬、渋は卒中の予防にと、その効き目についても古くから認められ、命を守る主食にも負けない「命の果物」と信じられ、『柿の木百本もてば百石取りと同じ』とも言われていました。 そしてリンゴにおいては、ドイツに『毎晩1個のリンゴは医者を廃業させる』という諺まであります。
それぞれの特徴を理解して、適量をおいしく食べたいものです。提案としては、カキは朝食のデザート、リンゴは夕食のデザートにいかがでしょうか?
旬の食べもの:

ロシアの人々は、雪解けを待ちかねて森へ出かけ、白樺の幹に穴をあけて、そこから流れ出すみずみずしい樹液を賞味します。白樺の樹液には爽やかな味がして、体のすみずみまでリフレッシュされるようです。
ロシア人は「白樺のジュースこそ健康のもと」と信じています。また、フィンランドやロシアなどサウナの本場では、羽の着いた白樺の枝を束ねたものを持って入って、これで体をたたきます。こうすると白樺のエキスがしみ込んで、肌にも体にも良いと言われています。
この生きた白樺の樹液を吸いながら数年間にわたって成長する「シベリア霊芝(カバノアナタケ チャガとも呼ばれる)」には、白樺のエッセンスがギッシリと詰め込まれています。いろいろなキノコが健康食品として出ていますが、これら原料の多くは促成栽培または培養されたものがほとんどです。シベリア霊芝は生態が特異なため、現在は人工栽培が出来ません。
中国漢方では、腎の働きを強化し、老化防止にも働くとしています。また最近、広島大学の研究で、免疫調節作用・抗アレルギー作用・腫瘍細胞増殖抑制作用などが注目されています。