旬の食べもの: 27.チャ(茶)

お茶好きの人には待ちに待った新茶の季節となりました。
 さて、お茶の種類を大別すると、発酵の度合いによって次のように分類できます。
1.不発酵茶・・・蒸したり、釜で炒ったりして発酵させないもの。緑茶が代表。
2.弱発酵茶・・・2~30%発酵させるもので、ジャスミン茶や白毫茶の類。
3.半発酵茶・・・50%程度発酵させたもので、烏龍茶の類。特に有名なのが鉄観音茶。
4.発酵茶・・・十分発酵させたもので、紅茶が代表。
5.後発酵茶・・・一度蒸したり、釜炒りしたものを3~8年ほど麹菌を加え発酵し貯蔵したもので、普ジ茶が代表。
 お茶の成分からその効用をみてみると、多量に含まれているものとしてカフェイン・タンニン・ビタミンCがあり、微量成分としてサポニン・葉緑素・アミノ酸・その他各種ビタミン類が含まれています。
 最近話題になっている肥満に対する効用は、最も強いのが普ジ茶、次が鉄観音、日本茶と続きますが、同じ中国茶でも普ジ茶は少しカビくさいので、日本人の舌にはなじみにくいようです。
 香港や中国を旅行したことのある人は皆さん経験していることと思いますが、食事の量が日本にいる時とは考えられないくらい多くなります。しかも皆油を使った料理なのに、なぜこれほど多く食べられるかといえば、これはひとえに食時中に度々出されるこれらの中国茶の効用です。

旬の食べもの: 26.キャベツ

塩漬けにしたり、味噌汁の具にしたり、キャベツは日本料理の中に定着しましたが、原産地はヨーロッパなのです。古代ギリシアの有名な数学者ピタゴラスも「キャベツは元気と落ち着いた気分を保つ野菜だ」といい、疝痛の特効薬として用いていたといいます。大昔キャベツは薬だったのです。
 古い植物図鑑にも「一般にキャベツはこれを食用とするときは、血液を新鮮にし、体質を強健にし、病毒に対する抵抗力を強くし、流行病に侵される憂少なく、保健上に副食物として最上のものなり」と述べています。
 キャベツによく似た名前の胃腸薬のコマーシャルをよく見ますが、これはキャベツの生汁より発見された潰瘍予防・粘膜保護修復効果のあるビタミンUを主成分としたものです。毎日キャベツを食べて胃潰瘍を治してしまった人もあるくらいです。
 このビタミンUのほかビタミンA・C、カルシウムなどが含まれているほか、とくに繊維が多いので、生食すれば栄養上だけでなく、便通を整えるのに役立ちます。またイオウと塩素というミネラルが多く、この二つは強力な胃腸浄化作用を発揮し、多量に食べると腸内の老廃物を分解浄化してくれるといいます。

旬の食べもの: 25.フキ(蕗)

まだ雪の残る山道で、いち早く春を告げるふきのとう・・今でこそ冬でも多くの野菜が食卓を彩っていますが、昔は自然が与えてくれた春一番の青物だったのです。
 葉が出る前に、根から太い花茎を出したのがふきのとうで、知らない人が見ると花と間違ってしまいます。閉ざされた暗黒世界から勢いよく顔を出すところより、精力増強の漢方食として活用されてきました。
 一方、ふきの葉(ふきのとう、ふきでもよい)は咳止めの妙薬として、今でも咳が出ると、ふきの葉をとってきて常用する地方があるそうです。咳が出やすい人、ぜんそく持ちの人、それに呼吸器系の病気でやせ気味の人に、ぜひ試していただきたいのが、このふきの葉です。特にこれのおひたしがよく、ほかに味噌汁に入れるのもいいでしょう。

旬の食べもの: 24.シソ(紫蘇)

 日本でシソといえば食品としての方が通りがよいのですが、中国ではむしろ薬草として用いられることの方が多いのです。
 薬草書によれば「生の薬は一切の魚肉の中毒を治す。また一般に胃および大小腸の働きをよくし、腹痛、下痢を治す。寒熱を除き、一切の冷えおよび風邪を治す。痰を消し、肺を利し、喘咳を止める」とあります。
 現代その効用と伝統は日本料理の刺身のつまとして生きているのです。単なる色どりだけでなく、中毒の予防とした古人の知恵を思い出し、シソの葉は必ず食べるようにしたいものです。
 また、風邪などの場合の発汗解熱剤、鎮咳剤、健胃剤、利尿剤、神経症などにも多く用いられています。
 シソの実も茎葉同様に用いられますが、鎮咳作用の方は実がやや勝れ、発汗解熱作用は茎葉の方が勝れています。神経症のからんだ鎮咳剤、健胃剤としては抜群の効果を持ち、例えば神経質で終始エヘンエヘンと空咳ばかりしているような人には、うってつけの野菜といえます。このような場合には、漢方方剤として半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)というシソの葉を含んだ薬があるのでおすすめします。その他、胃腸の弱い人の風邪には、香蘇散(こうそさん)があります。

旬の食べもの: 23.ジャガイモ(馬鈴薯)

原産地は南米アンデス。日本へはジャワからオランダ人により、長崎に伝えられたことからジャガイモの名がついたといわれます。ヨーロッパでは、大凶作の救荒作物の役割を果たし、ドイツ人の食事には欠かせないものになりました。日本でもお助け芋といわれたくらいです。
ジャガイモは比較的低カロリーで、ビタミンCも多く熱に強いものです。皮付きのままゆでると、ビタミンCも失われず風味のよいものです。
またジャガイモのスープは「カリウムの王様」といわれ、水溶性のカリウムが効率的に摂取できるので、高血圧気味の方・アレルギー体質の方は積極的にお試しください。
ドイツでは、ジャガイモをすりおろした生汁を胃・十二指腸潰瘍の痛み止めに利用されています。しぼり汁には微量ですがアトロピン(鎮痙作用)が含まれているためです。急な痛みや薬がない時など、この方法はじゅうぶん使えます。ただし芽にはソラニンという有毒物質があるので、生で用いる時には必ず芽の部分を取るように。
その他、豊富な植物繊維を含んでいるので、便秘や痔の予防にもピッタリの食べ物です。

旬の食べもの: 22.エビ(海老 蝦)

エビといっても種類はたいへん多く、伊勢エビ、車エビ、さくらエビ・・・
中国では海産のエビのほか、淡水のエビも美味とされています。日本人は、1年間に1人当たり約3キロのエビを食べる世界一のエビ好きの国民です。その理由は
①正月のお飾りや祝いの料理に使われる縁起もの
②高級感がある
③実際に美味しい からでしょう。

中国の古書『本草綱目』によると、「エビは陽を壮んにし、腎を補う」とあり、エビのもつアミノ酸類が強精作用をもつものと考えられます。このアミノ酸類がうまみのもととなっています。白身魚の100倍も多く含まれているのです。
またエビの生肉には、脳のはたらきをよくするといわれるDHAという物質や、動脈硬化を防ぐEPAという物質を多量に含んでいます。脂肪の量は少なく、コレステロール値を下げる物質も含まれたすぐれた食品です。カルシウムも肉の部分だけでも、魚やにくよりも多いのです。
前出のカニ類が体を冷やす性質があるのに対して、エビ類は体を温める性質があるので、冷え症の人もどしどし食べてください。ただし、エビの背中の黒い筋(普通ワタと呼んでいる)は、食べるとアレルギーを引き起こすので注意してください。

旬の食べもの: 21.カニ(蟹)

冬の味覚の代表といえばカニ。ゆでて酢醤油で食べるもよし、鍋もの、カニ汁、 甲羅焼と多彩に調理されています。中国でも、上海のカニ料理が有名で、木槌で殻を叩きながら豪快に食べていきます。
中国の漢方古書では「鹹、寒、小毒、諸熱を散じ、胃気を治し、食物を消化する。酢で食えば節々がよくなり、五臓中の煩悶の気を去り、人に益あり。」と述べられ、馴染みの深い食物だったようです。
最近注目されているのが、今まで捨てられていたカニ殻より抽出される食物繊維のキチン質(キチン・キトサン)です。
このキチン・キトサンの効果はまだまだ研究段階といえますが、多くの研究者が主張しているものをここに紹介しておきましょう。
①血圧の高い人
②疲れやすい人
③肥満気味の人
④糖尿病の人
⑤ガンの手術をした人
⑥精力が減退気味の人
⑦肝臓の弱っている人
⑧アレルギー体質の人
などに対する効果が期待され、科学的にも証明されつつあります。
今は健康食品としての扱いですが、近い将来キチン・キトサンを原料とした胃薬品の開発も行われるでしょう。それまでの食品扱いの間は、信用できるメーカーのものを確かなお店で購入されることをおすすめします。

旬の食べもの: 20.ダイコン(大根)

ダイコンほど親しまれ、色々な使い方をする野菜も少なくないでしょう。生ならダイコンおろし、細切りにしてサシミのつま、色々な煮物から味噌汁の具、おでんにタクワン、実にさまざまな利用の仕方があります。
ダイコンといえば、ジアスターゼ。ご存じのように胃腸の消化を助けるものです。ただ、その際、気をつけなければならない点は、生で食べたときと、効用に差があるということです。生で食べればその性質は冷で、煮て食べればその性質は平(普通)となります。
ダイコンおろしを、焼き魚や肉類などの熱性の食品に付け合せれば、胃にもたれることはありません。また、お酒を飲んだ後にもよいのです。したがってこの熱をとる作用は、口内炎や胃炎、胸やけにも効きます
逆に胃下垂、胃拡張など胃が冷えやすい人は、生は控えて、煮て食べるようにしなければなりません。
また、ダイコンの薬能は『肺を潤し、痰を除き、風邪を治し、熱を下げ、咳を治し、大小便をよく出し、胃を拡げ食物を消化する。』とあります。小児や妊婦の咳・痰・のど痛などには、おろし汁に蜂蜜を加えて飲むと効果があり、安心です。
もう一つ忘れずに利用したいのが、ダイコン葉です。豊富なカルシウム摂取源ですから、ぜひ捨てずに食べてください。あとダイコンの種は、”らいふくし”呼ばれ、麦芽や山査子(さんざし)とともに消化剤として使われています。

旬の食べもの: 19.レンコン(蓮根)

レンコンはハス(蓮)の根・・2千年も前のハスの種子が、発芽して、花を咲かせた報告があることからもわかるように非常に生命力の強い植物です。
多くの食品は何らかの薬用価値をもっているものですが、ハスの価値は高く、花も葉も実もすべて薬用に用いられます。ここでは、手近なところを紹介しましょう。
レンコンは漢方では藕(グウ)といい、貧血症の人や、胃・十二指腸潰瘍で吐血・下血あるときなどの、失血性の疾患によく効きます。レンコンを切って空気に触れると、切り口が黒くなりのは、成分の鉄とタンニンが引き起こす現象です。このように鉄分が多いため、増血作用が強くなるのです。さらに、しぼり汁は胃部の不快感を除いてスッキリさせるし、咳止め・ぜんそくの発作止めともなります。
また、藕節(グウセツ)といわれるハスの節の部分には、大変強い止血作用があります。ハスの節を主成分とする痔の止血薬が市販されているほどです。乾燥して煎じたり、黒焼きにします。
中国菓子の材料としてよく用いられているハスの実には、滋養強壮とともに精神安定に、ハスの葉はダイエットに効用があります。

旬の食べもの: 18.キュウリ(胡瓜)

日本でキュウリが本格的に食べられ始めたのは、大正以後といわれています。普通「胡瓜」と書きますが、江戸時代には、青いうちは苦味があり毒とされ、黄色に熟して瓜を食べていたので「黄瓜」と書いていたそうです。
キュウリは夏の野菜で、身体を冷やす性質があるので、夏の暑さをしのぐのに良い食べ物です。身体に熱があり、口が渇くような場合に適するため、扁桃腺炎などでのどが赤く腫れている時や、流感などで発熱して下痢する場合、できものなどで熱を持っているとき、火傷で炎症がある場合など、内服・外用で効果的に作用します。
また、キュウリには利尿作用もあるので、利尿の必要な病気、高血圧・心臓病・腎臓病などに利用下さい。
なお、キュウリは冷やす作用が強いので、特に冷え症の人、胃腸が冷えて弱い人は、あまり食べすぎないように注意します。中国料理では、キュウリにも火を通すのはこのためといえます。
すなわち、旬のものをさまざまな調理法で食することが、健康維持のために大切ということです。
冬にスイカを食べるということは、高いお金を出して身体のバランスをこわしているようなもの。