旬の食べもの: 8.ショウガ(生姜)

寿司につきもののショウガ。「ガリ」と呼ばれ、口直しの役割を担っています。また、豚のしょうが焼きをはじめ、たくさんの料理に使われています。
中国の古書によれば、このショウガの効用について、次のように述べています。
「風邪を治し、冷えを去り、頭痛、鼻塞、咳を治し、痰を去る」、また「脾胃を助け、諸物の毒を解す」とあります。また副作用として「生姜を食すること久しければ目を患う。痔疾の人、酒とともに食すればたちまち痔を発す。また廱瘡(できもの)のある人も禁忌とする。」と述べています。
ショウガのもつ薬効を大別すれば、
①風邪に効き、発汗作用があります。おろし汁に刻みネギを加え、砂糖を混ぜて熱湯を注いで飲みます。
②健胃作用があり、食欲を増し、消化吸収機能、胃腸ぜんどうを亢進させます。
③咳を止め、痰を切ります。
④吐き気を止めます。
⑤身体を温め、冷えを去ります。
⑥解毒作用があり、魚や肉の中毒のときに、ショウガのおろし汁を飲ませます。
また、ショウガは外用薬としても使います。神経痛やリウマチなどの冷え痛み、しもやけなどに、おろしショウガ汁を加えたお湯で温シップしたり、腰湯をすると効果があります。
冷たい生魚の寿司にガリという理由も分かってえいただけたでしょうか?

旬の食べもの: 7.シイタケ(椎茸)

秋は栗拾い、キノコ狩り、・・・・・シイタケは漢方では貴重な茯苓(ぶくりょう)、制ガン効果で注目の霊芝(れいし)やアガリクス茸と同じ仲間で、古代より食というより薬としての比重の方が強かったと考えられます。
シイタケはビタミンDの母体となるエルゴステリンを多量に含有していますが、これは紫外線に当たって初めてビタミンDに変化するので、食用としては日光で乾燥したものの方が生よりも良いとされます。ビタミンDは腸管からのカルシウムおよびリンの吸収を促進し、血中のカルシウム増加、骨化促進に深く関係しているので、成長期の子供や骨粗しょう症が心配な中高年の方には、大事な栄養素です。。
またシイタケには、コレステロールを減少させ、血圧を下げる効果が認められています。中年の出っ腹の方が心配される病気のひとつの胆石も、コレステロールがその原因の一部といわれています。したがってシイタケは、この胆石症の最高の予防食というわけです。
調味料ばかりに頼らず、このようなシイタケの[うま味]の中のすぐれた薬効を有効に活用ください。
なお、生シイタケを一度にたくさん食べると、のぼせたりめまいがすることがあるので、のぼせ症の人はたくさん食べない方がよいとされています。
最近はキノコ菌糸体を加工した健康食品が注目を浴びるなど、キノコ類の健康への利用価値がさらに広がっているというわけです。

旬の食べもの: 乾燥したのどに潤いをあたえ咳をとめる

むし暑い夏に別れを告げて、本当によい季節はこれからです。木々も果実を実らせます。夏は”湿”が身体に悪影響を及ぼしていることは、6月の項でお話しましたが、これからの秋の季節は”乾燥”が大敵となります。お肌にも、のどにも・・・。
自然界の乾燥だけでなく、現代は暖房が入ることでの空気の乾燥も様々な病気の原因となります。最初に影響を受けるのはやはりのどです。乾燥して咳が出たり、痰が少なかったり、粘ってからんだりする咳でお困りの経験はありませんか。このような場合は、いわゆる咳止めで咳だけを止めるのでなく、のどを潤すことで咳は止まってくるのです。潤肺糖漿はこのようにのどを潤して咳を止める代表的なシロップです。のどの乾燥も皮膚の乾燥も同じ原因と考えるのが、漢方の面白いところです。この 潤肺糖漿を飲んですると、カサカサしていたお肌もしっとりしてくるから不思議です。

旬の食べもの: 6.ギンナン(銀杏)

ギンナンはご存知のようにイチョウの果実ですが、植物学上分類では、中国と日本にしか存在しない珍品で、ダーウィンは《進化論》の中で、イチョウのことを、『生きている化石』と呼んでいます。まさに地上に姿を現した古生代から現代まで、その姿を変えていない生命力の強い植物です。
中国漢方の中では、ギンナンは精の漏れすぎを止め(強精』)、頻尿遺尿を止め婦人の帯下を治す薬として分類されています。また、もうひとつの重要な薬効として、咳止め、喘息の発作止め、結核などの呼吸器に対する作用も強調しています。
中国の風習で結婚式の日には、新郎新婦にギンナンを食べさせますが、これは単なる儀礼の意味だけでなく、実際の効用も意図されています。新婦は長い儀式の最中も尿意をもよおすことなく無事安泰。しかも新郎には強精。また、夜尿症の子供には、就寝4時間ほど前に、焼きギンナンを年齢の数だけ食べさせる必ず快方に向かいます。
余談ですが、高齢者の尿漏れには、西洋カボチャの種を使うことも覚えておかれるといいでしょう。
ギンナンは多食すると中毒を起こしやすく、生では絶対食べないようにしてください。必ず火を通すか油漬けにしたものを1回に10個までにして、小便の出の悪い人は食べてはいけません。

イチョウのもうひとつの大切な薬効部位であるイチョウ葉についてはまたの機会にしましょう。

旬の食べもの: 5.ナシ(梨)

中国では、モモとならんでよく好まれる果物で、古くから〈百果の宗〉と呼ばれ、随所で栽培されています。
古い話では、肝の武帝が庭園にナシを植えた逸話が残っていますが、これは単にナシを好んでいたからではなく、気候風土と病気に関連した条件下にあって、必要にせまられたものでもありました。というのは、中国の北方は乾燥がひどく、かつ砂塵でのどを痛めるものが多かったためで、古人はナシののどや肺を潤し、炎症を和らげる作用をよく知っていて利用していたのです。
漢方では通常、熱があって咳や痰が切れないときや、または風邪や扁桃腺などで、口が渇きのどが痛むとき、または暑気あたりや糖尿病の暑気などでやたらにのどが渇くときに用います。また、便秘にもよいものです。
この点から、気管支などに有効な果物ということはお分かりと思います。ただし大切なことは、どんな気管支炎にも効くわけでなく、炎症のために微熱があり、身体が熱っぽくてのどが渇き、痰は少ないか濃くて切れにくく、空咳が出て苦しい場合に有効で、水っぽい泡状の痰が出て、ゼイゼイするような場合は不適当なのです。

旬の食べもの: 新習慣です 帰ったら手を洗って、板藍茶でうがい!

風邪にショウガ湯を飲んだ経験のある方は多いでしょう。でもこれは風邪を引いてしまってから・・・
最近、日本では緑茶の抗菌作用が注目され、うがいに用いれるようになりましたが、中国の家庭では昔から板藍根(ばんらんこん)の煎じ液でうがいするのは当たり前。水がめに貯めた水でお茶を出したり、料理をする家庭では、風邪の季節になるとこの板藍の根をかめの中に沈めてあったそうです。
板藍根とはアブラナ科の植物、菘藍(うすらん、ホ ソバタイセイ)の根のこと。中国の家庭には板藍根の根のエキスを顆粒状にしたお茶がいつもストックされており、非常にポピュラーな存在になっています。冬の寒さが厳しい頃、小中学校の校門では、登校してき た子供達の喉にスプレーで板藍根の煎じ液を吹きかけて健康管理に用いることもあるそうです。中国では風邪による学級閉鎖がないのも、こういう習慣からでしょう。来日する中国の人たちも、たいてい、お守りのように板藍根のお茶(他にも板藍根をチョコレートにしたものもあるというから驚きです)を持っています。聞 いてみると母親が持たせてくれるのだそうで、中国ではまさに家庭の守り神として様々な生活のシーンで愛飲されているのです。
日本では、エキスを飲みやすく一包ずつにパックした健康茶が「板藍茶」。そして純粋なそのエキスを練りこんだのど飴(1個にお茶1包の40%エキス)があります。出先でおかしいなと思ったらまずのど飴、そして家に帰って手洗いをして板藍茶うがい。
この方法で全国大変多くのご家族に喜んでいただいております。

この板藍根、抗ウイルス作用があるためで、これが肝炎やヘルペスなどのウイルスが関係した病気にも応用範囲があるのですから、天然植物の持つ力は計り知れないといえます。

旬の食べもの: 4.モモ(桃)

岡山県特産の桃・・・中国では黄河流域で3000年も前から栽培されていたそうです。果実の王と称され、魔よけ・長寿の象徴として『桃太郎』をはじめ多くの伝説を残しています。
まさか桃の実を食べて、不老長寿になることはありませんが、桃にも種々の薬効がかくれているのです。桃の実は寝汗を止め、便秘を治し、のどの渇きをいやす働きがあります。桃の葉には殺虫効果があり、内服すれば婦人の帯下に、外用すれば湿疹、痔、虫さされによく効きます。この桃の葉の薬湯は有名で、子供のアセモ、湿疹、カブレのカユミ止めに、簡単でしかも効果があります。今年のような猛暑で、アセモに悩まれる方は、甘いフルーティーなお湯をぜひ試してみてください。
桃の中でもつとも薬効があるのは桃仁(とうにん)で、種と呼ばれる部分のさらに中にあるアーモンド様のもので、一般には食用としませんが、漢方薬の桂枝茯苓丸や桃核承気湯の主薬となり、体内の古血を下して浄化する作用を持ち、婦人の病気には欠かせない生薬です。ただ。生の桃仁には毒があるのでご注意ください。

旬の食べもの: ”痰”を除いて、からだもスッキリ ボケた頭もスッキリ!

NHKテレビで最近紹介
第50回東洋医学会において、「アルツハイマー病と加味温胆湯の臨床効果」と題して、東北大学・北里大学の医師らによって、発表されました。漢方薬は、通常「症」をとり治療を行いますが、体質にこだわらずアルツハイマー病の(AD)入院患者に投与しました。年齢は、61歳から85歳までの男女20人の患者が対象となりました。内服期間は、5か月から13か月。 西洋のAD治療薬の投与を中止し、加味温胆湯を1日2回の煎じ薬を投与しました。
まずは、心配された副作用が全くなかったことということです。結果は、著効は、2例 有効は、5例と発表されました。著効・有効と判断された患者は、情動面・自発性・注意力など改善がみられました。中には、数日で介護者も驚くほど明らかな情動面での改善がみられたと発表されました。全体的には、易怒性・切迫感・焦燥感のあるものに有効ということです。加味温胆湯は、アルツハイマー病の患者の治療薬として今後検討する意義のあるものと考えられます。(第50回東洋医学会発表の要約)

むし暑くて寝苦しい夜は、悪い夢にうなされることがあります。日本には古くから、この悪夢をバク(獏)が食べてくれるという言い伝えがあります。バクの伝説は中国にもあり、邪気を追い払う魔除けの力を持った動物として、屏風絵などに描かれることが多く、その皮を敷いて寝ると湿邪を払うともいわれています。「悪夢を食べる」「湿邪を払う」という日中のバク伝説は、一見無関係に思えますが、漢方の視点からは共通しています。
日ごろ、脾胃(胃腸消化器系)の働きの弱い人が、水分を取りすぎたり、高い湿度やストレスの影響を受けると、体内に病的な水(湿邪)が溜まりやすくなります。これが長く停滞すると粘りッこい”痰”になります。この痰は体の各部に悪影響を与え、精神におよぶと、不眠・イライラ・ゆうつ感・不安感・幻覚などの症状が現れます。その胸苦しさから、悪夢にうなされることとなります。つまり湿邪”痰”と悪夢は密接な関係にあります。
痴呆症も脳血流の問題だけでなく、この”痰”のつまりが大きく関係しています。中国漢方ではこの化痰薬(痰を除く薬)のバクの絵がパッケージになっている星火温胆湯と活血薬(血行改善薬)の冠元顆粒が、痴呆に効果を出しています。

旬の食べもの: 3.スイカ(西瓜)

夏の風物詩、スイカ・・・縄をつけて井戸にポチャ、冷えきったら荒塩をふりかけてガブリ・・・こんな風景は消えてしまいましたが、スイカが日本の夏に欠かせぬ果物に変わりありません。
90%以上が水分(果汁)で、その果汁中の糖分の約9割が還元糖とよばれるものです。この還元糖にはビタミンCの破壊を防ぐ作用があるので、Cの摂取のため、野菜サラダ・野菜ジュースを摂る女性には、スイカの一片を添えることをお勧めしたいものです。
またスイカには、利尿作用があることが昔から知られ、民間療法『西瓜糖エキス』をご存知の方も多いことでしょう。そのため腎炎や膀胱炎、むくみを伴いやすい心臓病や脚気には最適の果物といえるでしょう。
また中国でも、暑気あたりや糖尿病などの口の渇きのつよい病気によく用いられ、料理にも登場してきます。
ただしスイカは冷やす作用もあるので、熱症状のあるときは大変よいのですが、冷え症とくに胃腸の冷えやすい人は多く食してはいけません。

旬の食べもの: 熱中症・突然死に要注意!!

今年のように、梅雨明けを待たず35度を記録するような型破りの暑さでは、体も血管もついていけません。狭心症や心筋梗塞などの心臓病発作は、冬よりもこの時期に油断できません。
大量の発汗により、体液を消耗するだけでなく、汗とともに身体の中の気(エネルギー)も漏れ出てしまいます。発汗により血液が濃く粘くなったところに、心臓の機能低下が起こったらたまりません。夏のゴルフ場の突然死、最近話題のエコノミークラス症候群がこれに当たります。飲む点滴といわれ、毛沢東の3度の心筋梗塞を救ったといわれる、生脈散という中国漢方を飲みやすい顆粒にしたのが、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう:中国名 生脈散)です。”体に潤いと活”をつけるため、朝1包飲んで出かけたり、いつもポケットに忍ばせておくようにしましょう。
また、麦味参顆粒にはスポーツの記録を伸ばす力も秘められています。華西医科大学の研究で麦味参顆粒には、疲労物質である乳酸を分解して。疲労を速やからに回復させるとともに、持久力をつける働きがあることが解かりました。炎天下のスポーツ選手には、特製漢方スポーツドリンクをお勧めしています。
病気改善と能力アップの両面で使える麦味参顆粒は、とてもおもしろい漢方です。これから夏の行楽期になると、子供やお年寄り、そしてふだんあまり運動をしない中高年者がいきなり強い日差しの中へ長時間でて、日射病になることが増えます。こんなときすばやく麦味参顆粒を1包口中に含むだけで危険回避が出来ます。水なしでOKです。