4.髪を黒くよみがえらせたカシュウ

 中国には、薬草にまつわるさまざまな民話が残されています。

 昔、唐の時代に何(か)という名前の白髪の老人が、仙人から教えられた草の根を食べていたら、頭(首から上)がカラスのように黒くなり、驚くほど若返ったという伝説から、その名が付いたといわれるのが、何首烏(かしゅう)です。何首烏は、ドクダミに似た葉をもつタデ科のツルドクダミの根の部分のことですが、ドクダミと違いその独特のにおいはありません。白髪や脱毛の悩みを持つ人に効果のある薬草として有名で、薬膳材料や薬用酒原料として親しまれています。

強壮強精作用のほかに、現代科学的にはコレステロールを抑制し動脈硬化を予防する働き、心臓の機能を強め冠状動脈の血流量を増やす働きなど、生活習慣病を予防し老化を食い止めるさまざまな効果も報告されています。男女共に中高年以降に役立つものです。

 また、便を柔らかくして優しく出すため、体力の弱った方や、お年寄りの便秘薬としても喜ばれています。お通じも気持ち良く出て、抗老防衰(こうろうぼうすい)、若々しさを保てるといううれしい生薬です。

 そして一方、そのツルには夜交藤(やこうとう)という意味深な名前があり、こちらは不眠に効果的です。根の何首烏とツルの夜交藤で作った首烏酒を、寝酒にいかがでしょうか。