146.〝春眠暁を覚えず〟のはずなのに…

-最近夢ばかり見て、ぐっすり眠れた気がしません。体調も優れません。
                            (46歳・女性)
 緋田 睡眠中はレム・ノンレム睡眠が繰り返され、夢は浅い眠りのレム睡眠の間が多いようです。
漢方で夢をよく見ることを多夢と言い、嫌な夢や現実的な夢は体の不調と関係があると考えます。
 漢方の古典には、腎の気が不足すると「水におぼれた人の夢」、脾(ひ)の気が不足すると「いくら食べても空腹という夢」など、夢診断も記載されています。日本には、悪夢を獏(ばく)が食べてくれるという言い伝えがありますが、獏の伝説は中国にもあり、獏の皮を敷いて寝ると湿邪を払うといわれています。
 胃腸の働きの弱い人が水分、甘い物、脂物を取り過ぎたり、高い湿度やストレスの影響を受けたりすると、体内に病的な水 (湿邪)が溜まりやすくなります。これが長く停滞すると粘りっこい〝痰(たん)”になり、体の各部に悪影響を与え、精神に及ぶと、不眠だけでなく、ゆうつ感でやる気が出ない、不安感、イライラなどの症状が現れます。その胸苦しさから、悪夢にうなされることとなります。つまり湿邪と悪夢は密接な関係にあるのです。こんなとき、獏の絵がパッケージになった温胆湯という漢方がスッキリさせてくれます。