19.「ジャノヒゲ」で細胞・粘膜に潤いを

 夏が長く続いて、バテバテという方も多いでしょう。汗をいっぱいかくと、体は気(エネルギー)と津液(しんえき・体液のこと)を失い、血液が粘ってつまりやすくなったり、細胞がみずみずしさを失い、皮膚や粘膜が乾燥してしまいます。このような状態のまま、乾燥の季節の秋を迎えてしまうと、呼吸器系では空ぜきが止まらなかったり、肌が荒れたりかゆくなったりしてしまいます。

 こんなときに細胞に元気と潤いを呼び込んでくれるのが、日陰などによくみられる身近な植物。幅2・3ミリのヒゲのような葉が多数出ている「ジャノヒゲ」の根の膨らんだ部分です。漢方では麦門冬(ばくもんどう)と呼びます。「竜のヒゲ」とか、県内では「クスダマ」と呼びます。濃青色の種子で「クスダマ鉄砲」をして遊んだ記憶のある方も多いかもしれません。

 この「麦門冬」は、漢方の世界ではよく利用されています。夏バテやエコノミークラス症候群の予防に使う「生脈散(しょうみゃくさん、商品名:麦味参顆粒)」、空ぜきやのど痛、妊娠中の咳には「麦門冬湯」、口の渇きや皮膚乾燥がある糖尿病やアトピーに「麦味地黄丸(ばくみじおうがん、商品名:八仙丸)」などを使います。秋から冬にかけては、体は乾燥し過ぎないように潤わせておくことが必要です。