21.「丹参」で血液サラサラ

 最近、次々と有名芸能人が倒れたことで「隠れ脳こうそく」という言葉をよく聞くようになりました。脳こうそくとは、脳の血管が詰まって、脳の組織が死んでいくこと。元気だった人が突然倒れたりするため、突発的な病気と思われていますが、実は小さなこうそくが長い間に進行したものなのです。実際、30代では8人に1人、40代では3人に1人、50代では2人に1人、60代では8割以上に「隠れ脳こうそく」があるといわれています。

 発作が起きてしまってはすでに遅し。後遺症が残ったり、命にかかわることもあります。そこで危機管理に登場するのが、丹参(タンジン)です。

 中国では、お血(おけつ・血の滞り)という症状ととらえます。お血かどうかは、くすみ・しこり・痛みといったお血特有の3大症状で見つけます。この症状を改善する活血化けつ(血流改善)薬の中で、最も繁用されている薬草の一つがこの丹参です。シソやサルビアと同じシソ科の植物で、作用が穏やかなうえに、養血作用もあるところから、古来珍重されてきました。故・毛沢東首相の心臓病を治すために、中国の国家的プロジェクトで開発された脳心血管病の漢方薬「冠心?号方」の主成分もこの丹参です。

 薬理学的には、血流量を増加し、血液の粘度を下げ、脳動脈や冠状動脈を拡張させる作用があることから、特に脳血管障害や心臓病、高血圧症の治療に用いられます。日本でも最近研究が進んでいます。丹参を配合した血液サラサラの漢方薬には、冠元顆粒(かんげんかりゅう)があります。