岡山ミニコミ: 158.春は肝 肝は目に孔を開く

 ―仕事で毎日、長時間パソコンを使うのですが、春になると、目の疲れが増し、ドライアイや充血、目のかゆみが一層ひどくなる気がします。無理のない漢方はありま
すか。(30歳・女性)
 春は、冬の間、内にこもっていたものが一気に外に出る時季。そのため目にも不快な症状が現れやすくなります。
 漢方では「春は肝、肝は目に孔(あな)を開く」と言い、目は肝と深くかかわっていると考えます。また、血は目の栄養源で、目を使うことで血が消耗されるとも捉えま
す。長時間、特に夜に目を酷使すると血が消耗され、栄養が行きわたらなくなり目が乾いたり、かすんだり、疲れやすくなったりします。ひどくなると頭痛、肩凝り、精神
不安も引き起こし、イライラ、うつ状態、女性の場合は生理不順を招くことも少なくありません。
 〝飲む目薬〞とも呼ばれる漢方薬が「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」です。ベースとなる「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」と「枸杞子(くこし)」には、肝を養い、血を増やす作用があります。中に入っている菊の花には、目の充血を抑え、視力回復に役立つ働きも。
乾燥した菊の花を熱湯で数分浸出させて飲む「菊花茶」、枸杞の実と合わせた「杞菊茶(こぎくちゃ)」もお薦めです。

岡山ミニコミ: 157.花粉症の予防には「衛益顆粒」

-花粉症がつらい季節がやってきます。飛散量は昨年少なかった分、今年は多いとか。大陸から飛来するPM2.5の健康への影響も心配。症状軽減や予防アドバイスをください。(43歳・女性)
 花粉症の症状には、水っぽい鼻汁が多い、鼻が詰まる、くしゃみが出る、のどの痛みはなく目も赤くない”寒症状”には、鼻炎漢方「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」を。体を温めて乾燥させ症状を改善していきます。一方、体が熱っぽく、目や鼻、のどの粘膜が腫(は)れ、目がかゆく、鼻汁も黄色く粘りのある状態の”熱症状”には、風邪薬としても使われる「
銀翹散(ぎんぎょうさん)
」や「板藍根(ばんらんこん)」を用います。
 花粉症やPM2.5をシャットアウトするためには、粘膜のバリアー機能を高めながら体質改善を促します。免疫力を調整する代表的な植物の黄耆(オウギ)が主成分でバリアー機能を高める働きがあるのが「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」。平素から飲んでも眠くなりません。一般に「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」の名前で売られています。漢方は苦手という方や子どもには、L・ロイテリ菌などの乳酸菌摂取から始めては?腸内善玉菌を増やし、腸管免疫を向上させることが体質改善につながります。

岡山ミニコミ: 156.漢方で「血管力」を高めよう

 ―昨年暮れ、58歳の義理の兄が脳梗塞で救急搬送されましたが、今は普通の生活に戻れてほっとしています。再発予防のため病院の治療と併用できる漢方はありますか。(50代・女性)
寒さ厳しい今の時期は特に心配でしょう。突然死の原因となる脳や心臓の病気に関係しているのが血管です。血液サラサラも大切ですが、最近話題に上るのが「血管力」のアップです。
 太い血管の循環を保つことは命にかかわるだけに現代医学が得意としますが、毛細血管の流れに対しては現代医学よりも漢方の方が得意です。
 血管力アップの方法として注目したいのが、血管内皮細胞から分泌される一酸化窒素(NO)。NOの産生が血管力を高めることが分かってきたのです。血管マッサージやストレッチ、青魚の摂取などもNOに働きかけますが、漢方薬の中にも血管壁でNOを増やすものがあります。駆(お)血薬お血は滞った血のこと)といわれるもので、高血圧や頭痛、肩凝りの改善と共に微小循環障害の改善に役立つのが、丹参(たんじん)を主成分とする冠元顆粒(かんげんかりゅう)。肩凝り、頭痛などは、末梢循環不良の黄色信号だけに、太い血管を詰まらせる前に、日々「血管力」アップを心掛けましょう。

岡山ミニコミ: 155.ツイッターで話題の板藍のど飴!

 ―今年のインフルエンザの流行は例年より早いと聞きました。対策を調べていたら、ツイッターで話題になっている漢方ののど飴(あめ)がありました。これって本当に役立つの?(30歳・女性)

 緋田 当薬局にも「ツイッターで話題になっていたから試してみたい」という方が、この1週間で3人おられました。特に今年は関東でインフルエンザの流行が早く、予防接種も間に合わなかったこともあり、「板藍(ばんらん)のど飴」がネットで話題に上りました。
 前回のこのコラムでも書きましたが、板藍のど飴は抗ウイルス消炎作用を持つ板藍根のエキスが練り込まれています。
 のど飴のよいところは、いつでもポケットから出して手軽になめられること。人混みや乗り物の中など換気の悪い所で、周囲の人がセキをしていたり、 ノドがおかしいなと感じたとき、マスクとともにすぐに対応できます。
 感染症対策の基本は、免疫力を落とさないこと。同時に体にウイルスが入り込まないよう素早く入り口でたたくこと。そうした対策に、飴の手軽さが役立っているというわけ。外出から帰ったら、うがい・手洗いをして、板藍茶を飲めばさらなる防衛になりますよ。
今年も漢方で健康な1年をスタートしましょう。

岡山ミニコミ: 154.感染症は体の水際対策が大切!

 -受験生がいます。インフルエンザ予防のワクチン接種も済ませましたが、これだけで十分でしょうか。効果的な漢方があれば教えてください。(40歳・女性)

 感染症といえば今年、デング熱やエボラ出血熱、鳥インフルエンザなど、国を挙げてのあらゆる防御対策が検討されています。知恵を絞り水際対策でまん延を防がねばなりません。
 風邪、インフルエンザも同様のウイルス感染症です。感染診断後の治療に頼るのでなく〝体の水際対策〟が最も大切です。
手洗い、うがいは欠かせませんが、効果的な漢方をとのことですので、板藍根 (ばんらんこん)というお茶を用いる予防法をお薦めします。
 板藍根はアブラナ科・ホソバタイセイの根で、藍染め染料にも使われる植物。藍には、昔から抗菌・防虫効果があることが知られています。この板藍根には、抗ウイルス・消炎作用もあり、感染症が流行するシーズンに、私たちの体を守ってくれます。板藍根入りの「板藍茶」は、人ごみへ出掛ける前に飲み、帰宅したらこのお茶でうがいをしてください。眠くならないので、受験生のお子さんもぜひ一緒に。
 規則正しい生活に努め「うがい・手洗い・板藍茶」を心掛けてこの季節を乗り切りましょう。

岡山ミニコミ: 153.肩凝りも頭もスッキリする漢方!

 -肩凝りが激しく、最近は頭もスッキリしないのですが、病院で検査をしてもどこにも異常は見つかりません。家族は、漢方を試してはどうかと勧めます。効果的な薬がありますか。(46歳・女性)
 緋田 太い血管の循環を保つことは命にかかわるだけに現代医学が非常に得意としていますが、全身の組織へ延びている毛細血管の流れに対しては、現代医学よりも漢方の方が得意とします。
 漢方には、お血(おけつ=血の滞り)という考えがあります。瘀血かどうかは、くすみ、しこり、痛みといった3大症状で総合判断します。身近な急性の循環障害を例に挙げれば、打撲による青あざと腫れ、痛みがあります。青あざに対して現代医学ではこれといった治療法はありませんが、漢方の「活血化お」という薬なら驚くほどよく解消されます。
 活血化お(血流改善)薬の中で、特に研究が進んでいるのがシソ科の丹参(たんじん)を主成分とする
冠元顆粒(かんげんかりゅう)
です。薬理学的には血流量を増加し、血液粘度を下げ血管を拡張させることから、脳血管障害や心臓病、高血圧症の治療に用いられます。
これが検査で異常とならない段階の微小循環障害も改善してくれるため、飲み続けると肩もスッキリ、頭もスッキリします。

岡山ミニコミ: 152.即効性のある漢方で体感を!

 -これまで病気をすれば西洋医学の薬を飲んでいましたが、最近では、漢方薬の方が体にやさしいのではないかと思うようになりました。漢方薬は長く飲まないと効かないのですか。(55歳・女性)
 漢方薬は薬草を一定のレシピで組み合わせたもので、普段食べる食材の延長線上にあります。根や葉、果実・種などの中から薬効の高いものが選ばれ、組み合わされて使われます。そのため、自然でやさしいイメージとともに、長く飲まないと効かない、慢性疾患の薬と思い込んでいる方も多いようです。しかし、漢方の歴史をひも解くと急性期の病気を対象としていたことが分かります。漢方治療の原典「傷寒論」には、急性熱性疾患(感染症)に対する対処法が記されています。
 ゾクゾクッと寒気がして葛根湯を飲んで、 数十分後にジワッと汗が出てきてスッキリとしたという経験はないでしょうか。ノドが痛く熱っぽいときは銀翹散(ぎんぎょうさん)、 ムカムカしてお腹にきた風邪には 
香(かっこう)正気散
を服用しますが、これらの漢方は1回の服用でも効果を表します。風邪以外でも、こむら返りを繰り返す人が芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を飲んでおくと止まったり…。
 漢方の即効性を一度体感してみてください。

岡山ミニコミ: 151.〝スマホ不眠症〟が増加中!

 -朝夕、涼しくなりましたが、仕事と家事のストレスが夜まで残り熟睡できません。睡眠導入剤も考えていますが、止められなくなるのが不安です。不眠に漢方は利くのでしょうか。(30歳・女性)
 最近では、寝床でスマートフォンを見て眠れなくなる〝スマホ不眠症〟の人が増えています。睡眠導入剤を使うのも方法ですが、あくまで対症療法です。不眠改善のためには、スマートフォンは電源を切るか、ベッドから離れた場所に置き、体全体のバランスを整えることが大切です。
 不眠に利く漢方はいろいろありますが、心身は疲れきっているのに眠りにつけないという人には酸棗仁湯(さんそうにんとう)が、また、心労が重なり、気血を消耗して、深夜に目覚めてしまう、動悸(き)がする、昼間も体がだるいという人には心脾顆粒(しんぴかりゅう)がお勧めです。
 不眠改善の養生として5つのポイントを紹介します。
 ①就寝4時間以内のカフェイン摂取、1時間以内の喫煙は避ける
 ②就寝時間にこだわらず眠たくなったら寝床に就く
 ③昼寝は午後3時までに30分以内で
 ④早起きし、起きたらカーテンを開けて日光に当たる
 ⑤熟睡の妨げになる寝酒はしない
 以上を守れば、漢方の効果がより高まるでしょう。

岡山ミニコミ: 150.夏の感染症対策も漢方で

-夏休みの子どもたちはプールに行きたがります。ただ、毎年話題になるプール熱や夏風邪の代表格といわれるヘルパンギーナなど感染症が心配です。効果的な予防法はありますか。(37歳・女性)
 プール熱は、正式には咽頭(いんとう)結膜熱という感染力の強いアデノウイルスが原因の病気。プールで泳いだり、水遊びした5、6日後、40℃近い高熱とともにのどの痛み、目の充血、下痢などの症状が出ます。
 中医学の対処法としては、初期の目の充血やのど痛に「銀翹解毒散」、下痢や嘔吐(おうと)には「勝湿(しょうしつ)顆粒」の併用をお勧めします。
 また、夏に流行する感染症のヘルパンギーナは突然の39℃以上の高熱が2~4日続き、のどの痛み(咽頭痛)と、のどの奥が赤く、中心に水を持った水ほうが半円を描くようにできます。熱が下がっても感染力が強く、2~4週間にわたって便からウイルスが出ます。
 細菌やウイルス対策で重要なのは予防。外から帰ったり、トイレから出たらまずは手洗い。そして、抗ウイルス作用のある「板藍(ばんらん)茶」によるうがい習慣を。また、体質強化のためには「衛益(えいえき)顆粒」も効果的です。ただし、症状が強いときは、すぐにかかりつけの医療機関を受診しま しょう。

岡山ミニコミ: 149.アスリートや登山者に合う漢方

-暑さが増すこれからの時季、子どもと高齢者がいるわが家では、室内での熱中症が心配です。知り合いから夏場に強い漢方があると聞きましたが、どんな漢方なのですか。(50歳・女性)
 環境省などでは今夏「熱中症予防声かけプロジェクト」をスタートし、熱中症予防のための5つの声掛けとして、①温度に気を配ろう②飲み物を持ち歩こう③休息をとろう④栄養をとろう⑤声をかけ合おう-の励行を呼び掛けています。
 質問にある夏場に強い漢方とは、アスリートや登山をする人、屋外で長時間仕事をする人にもうってつけの「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」のことだと思います。別名”飲む点滴”といわれ、体力や心臓機能を高める作用のある人参(にんじん)、体液を作り、漏れを防ぎ、疲労物質の乳酸を分解して疲労回復させる働きの麦門冬(ばくもんどう)、五味子(ごみし)の3種で構成された漢方薬。スポーツドリンクや麦茶に溶かして気軽に補給できます。
 汗のかき過ぎは、気=エネルギーも消耗し、心臓の機能も弱まります。血液が濃くなり血流が悪化、血の塊ができたりして狭心症や心筋梗塞(こうそく)を招く危険性も高まります。漢方を上手に取り入れて夏を元気に乗り切ってください。