岡山ミニコミ:
98.ドライマウスには潤いの漢方
ー口が渇き、舌が焼けるように痛いので、いつもガムをかんでごまかしています。なかなか原因も分からず、ほとほと困っています。(33歳・女性)
地球温暖化、生活環境の変化、ストレスなどさまざまな要因から、乾燥体質の人が増えているといわれる現代。人口の25%がドライマウスにかかっているという欧米の疫学調査報告もあります。ドライマウスがひどくなると舌の痛み、口臭、味覚異常も引き起こすので、侮れません。
唾液(だえき)は、1日1.5㍑分泌され、その中には水分だけでなく、抗菌物質や消化酵素、成長因子などさまざまな成分が含まれています。唾液分泌量が減ることは、口の中の症状にとどまらず、風邪や肺炎にかかりやすくなったり、消化器疾患の原因になったりもします。
漢方では「皮膚(粘膜)=肺=燥」という関係性を重視します。「肺」とは、呼吸に関係する皮膚(皮膚呼吸)、鼻、のどまで含めた大きな意味。乾燥の症状は、のどや鼻の粘膜、目、肌、腸の乾燥(コロコロ便)、女性では膣(ちつ)分泌液の不足・・・と、皮膚・粘膜のあるさまざまな身体器官に及びます。
これらの乾きには、「百合(びゃくごう・百合の根)」「北沙参(きたしゃじん)」「玉竹(ぎょくちく)」といった、食材のように使える潤いをもたらす漢方を用いるとよいでしょう。
岡山ミニコミ:
97.漢方で体質別の花粉症対策を
-毎年ひどい花粉症に悩まされていますが、今年は花粉の飛散量が少ないと聞いて少し安心しています。眠くなる薬や点鼻薬はなるべく使いたくないと思っています。漢方だけで乗り切れるでしょうか。(29歳・女性)
普段の生活に支障が出るほど花粉症がひどい方にとっては、春をいかに乗り切るかが重要課題ですよね。
体質改善を促しながらオーダーメイドの治療を行うのが漢方のスタイル。
水っぽい鼻汁が多い、鼻が詰まる、くしゃみが出る、のどの痛みはなく目も赤くないーという「寒体質」の人には、最もポピュラーな鼻炎漢方「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が良いでしょう。涙目、くしゃみ、鼻汁、タンや鼻詰まりなどの症状を改善し、体を温め乾燥させる効果があります。
また、体が熱っぽく、目・鼻・のどの粘膜が腫れ、目がかゆく、黄色く粘ついた鼻汁が出る「熱体質」の人は、風邪薬としても使う「銀翹散(ぎんぎょうさん)」がお勧め。
症状に関係なく、粘膜のバリアー機能を高めるオウギの入った「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」を組み合わせると、さらに効果が期待できます。
ちなみに今回紹介した漢方はいずれも、飲んでも眠くならず、一般のサプリメントや健康食品とも併用できます。ただ、漢方もお薬なので、服用の際には、専門家にきちんと相談しましょう。
岡山ミニコミ:
96.花粉も風邪も防ぐ体づくりを
ー新型インフルエンザの流行もひと段落したようですね。風邪に弱いうちの娘ですが”うがい・手洗い・板藍茶”を徹底したおかげか、今のところ元気に過ごしています。ただ、これから春にかけて、今度は花粉症との闘いが始まり、それが悩みの種です。(49歳・女性)
全国的に今年は花粉の飛散量が少ないとは予測されていますが、油断は禁物。インフルエンザと同様、十分すぎるほどの予防を心掛けるに越したことはありません。
花粉症などのアレルギーは、外敵から身を守る免疫力の過剰反応。逆に免疫力が低下するとひきやすくなるのが、風邪。花粉症や風邪の予防には、この免疫力を正常に機能させることが大切です。
そこで紹介したいのが、玉(ぎょく)でできた貴重な屏風で大切な住人を外敵から守るーという意味を持つ「玉屏風散(ぎょくびょうぶさん)」。風が運んでくる花粉・ウイルスなどの「風(ふう)」から身を防ぐ効能によりその名が付いた、セリ科の「防風(ぼうふう)」と、粘膜のバリア機能を高める「黄蓍(おうぎ)」が入った漢方。日本では「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」の名前で、飲みやすい顆粒タイプで販売されています。飲んでも眠くならないので、学生や仕事をもつ方にもオススメですよ。
今のうちに、外敵を寄せ付けない体づくりで花粉やインフルエンザをシャットアウトしましょう。
岡山ミニコミ:
95.抜けない咳にはスベリヒユ
-先日、大風邪を引きました。2週間経ち、体調はほぼ回復しましたが、咳(せき)だけが残っています。風邪を引くと毎回こうなのですが、体質でしょうか。(42歳・女性)
風邪を引いたら最後まで咳が抜けないという症状は、呼吸器系がもともと弱い方や気管支炎の炎症が治りきっていない方に多くみられます。
こんなときに常備しておくと便利なのが、道端の雑草スベリヒユのお茶。茎が赤く、葉が緑、花が黄、根が白、実が黒いことから、中国では五行草(ごぎょうそう)とも呼ばれています。その昔、中国で母に虐げられていた娘が、赤痢(せきり)で死線をさまよっていたとき、スベリヒユを食べたらたちまち治ってしまったという伝説が残っているほど、現代でも大切な食材として親しまれています。
漢方では細菌やウイルスなどの伝染性疾患を”熱毒(ねつどく)”といいますが、スベリヒユはこの熱毒を解消する働きがあるので、咳はもちろん、急性胃腸炎や慢性の潰瘍(かいよう)性大腸炎、ぼうこう炎、尿道炎、腎盂(う)炎などにも効果が期待できます。
痰(たん)が出ない空咳の場合は、乾燥したのどを潤す漢方「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」、痰が多く出て、胃腸の調子が優れないようなときは、気管支炎やぜんそくなどの治療に用いる漢方「柴朴湯(さいぼくとう)」とスベリヒユのお茶を併用するとよいでしょう。
岡山ミニコミ:
94.季節性の風邪にも十分注意を
ー新型インフルエンザの感染が拡大していますね。持病があるので、マスク・うがい・手洗いを徹底して予防に努めていましたが、先日、高熱が出て風邪の症状が。病院で検査をすると、幸い陰性でホッとしているところです。(32歳・女性)
夏前から、新型インフルエンザの心配が続きますが、寒さが本格化してくるこれからは、季節性の風邪や胃腸風邪にも注意が必要です。
病気は、かかってから治すのではなく、かかる前に予防するーというのが漢方の基本的な考え方。風邪やインフルエンザの予防には、アブラナ科・ホソバタイセイの根が原料で、抗ウイルスの漢方と呼ばれる「板藍根(ばんらんこん)のお茶を飲み、このお茶でうがいをすることが有効です。飲んでも眠くならないので、車の運転や勉強にも支障が出ません。外出時には、板藍根のエキスを練りこんだのどアメを携帯しておくと良いですよ。
どんなに気を付けていても、相談者のように、風邪を引いてしまうことはあります。そんな場合は、寒気から始まるタイプは「葛根湯(かっこんとう)」、急なのどの痛み・熱から始まるタイプは「銀翹散(ぎんぎょうさん)」、むかつき・下痢から始まるタイプは「かっ香正気散(かっこうしょうきさん)」ーと、症状に応じて3つの漢方薬を、板藍茶と併せてできるだけ早く飲むことをオススメします。
岡山ミニコミ:
93.微熱には「麦味参顆粒」
ー1人暮らしをしている父親が、最近風邪を引きました。高齢なので肺炎も心配していましたが、杞憂(きゆう)に終わり、一安心。ところが、せきなどの症状は良くなったものの、微熱が続いて下がりません。(58歳・女性)
一概には言えませんが、症状から察するに、発熱の原因は体液の不足にあるかもしれません。この発熱をお風呂に例えて考えてみましょう。火力が同じでも、湯量が減ったら湯船の温度が上がるのと同じように体に潤いが無くなってきたお年寄りや大量に発汗した病み上がりの人は、体内の熱を制御できず、微熱(漢方では虚熱)が出やすいのです。
この場合、漢方では、体液を補う「麦門冬(ばくもんとう)」、体液の消耗を防ぐ「五味子(ごみし)」、元気をつける人参を配合した「麦味参顆粒](ばくみさんかりゅう)」を飲みましょう。中国名は「生脈散(しょうみゃくさん)」。心臓の働きを強めるとともに十分な水分を補い、弱った脈を呼び戻す働きがあります。毛沢東の危篤時に使われたことは漢方の世界では有名な話。飲みやすい顆粒タイプで、1日1、2包を食前や食間に飲むと良いでしょう。
また、高血圧や心臓病などの基礎疾患がある場合は、血管の拡張や血栓を予防し、血液の粘度を下げる作用がある「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」と組み合わせるとさらに効果が期待できます。
岡山ミニコミ:
92.皮膚・粘膜の乾燥対策
-毎年、秋になるとのどや鼻が乾燥し、せきがしょっちゅう出ます。仕事に支障が出るほどせき込むこともあり、風邪でもないのにマスクが欠かせません。(47歳・女性) 蒸し暑い夏から一気に涼しい秋へ。木々が色づき、作物が収穫のときを迎える秋は、乾燥の季節でもあります。
漢方では「秋=燥=肺=鼻」という関係性を重視しています。漢方でいう「肺」とは、呼吸に関係する皮膚(皮膚呼吸)、鼻、のどまで含めた大きな意味。のどや鼻の粘膜が乾き、タバコやほこりの微粒子に敏感になってせき込む相談者のようなケースはもちろん、口内の乾き、腸の乾燥(コロコロ便)、目の乾き、肌の乾燥、女性では膣(ちつ)分泌液の不足・・・と、皮膚・粘膜のあるさまざまな身体器官に乾燥の症状が出ます。さらに、乾燥が続くと自然界で火事が起こりやすいように、体も、手足のほてり、のぼせ、微熱、口内炎など”虚熱”といわれる熱症状が表れます。
のどや鼻の乾燥には「潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)」、口内の乾きには「八仙丸」、コロコロ便には「潤腸湯(じゅんちょうとう)」、目の乾きには「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」肌や膣の乾きには「沙棘(さーじ)油」、虚熱がひどいと「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」を使うとよいでしょう。
また、インフルエンザなどのウイルスも乾燥を好みます。予防・対策はしっかりと。
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91.肌のケアに大切なのは・・・
ー毎日、自転車で通勤しています。日焼け止め、帽子、長手袋で紫外線対策をしていますが、肌が弱いせいか日焼けや乾燥がひどく、シミ・くすみも目立ちます。夏バテで食欲が落ちているのも、肌のコンディション悪化を手伝っている気がするのですが・・・(28歳女性)
この時季になると、当薬局でも肌に関するご相談が増えます。
肌のコンディションを整える漢方としてまずご紹介したいのが、”女性の宝”と呼ばれる薬草「当帰」をふんだんに含む、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。美容や健康に気遣うモデルさんも使っていると雑誌に掲載されて以来、注目を集めています。女性にとって大切な血を補い、肌の新陳代謝を促進。月経不順、貧血、冷え、シミなどを緩和して、体の中から潤いを取り戻してくれますよ。
婦宝当帰膠はクセのないシロップ状で、ドリンクに混ぜて手軽に飲めるのも魅力。ちなみに中国では、当帰を飲む習慣がある揚子江中流周辺の女性の肌はキレイだといわれています。
また日々のスキンケアには、”美肌油”と呼ばれる「沙棘(サージ)」オイルが主成分の「セ・サージ」を使うと良いでしょう。皮膚の再生を促し、肌の老化を抑制する効果が期待できます。
漢方はもちろん、バランスのとれた食事をはじめ、規則正しい生活を送ることが美肌の大前提なのは忘れないでください。
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90.登山のお供に「心沙棘」
-登山が趣味で、若いころから夫とよく山に出掛けています。ただ最近、年のせいか持久力がなくなり、登っている最中に息が切れてひどく疲れるようになりました。何か良い漢方はありませんか。(62歳・女性)
趣味や健康維持のために登山を楽しむ中高年の方が増えています。でも加齢とともに気になるのが体力の衰え。そんな中高年の方に紹介したいのが、スポーツ専門誌でも紹介され、注目を集めている「心沙棘(シンサージ)」です。
貧弱な土壌や厳しい環境下でも生育することから”生命の実”の別名を持つグミ科の植物「沙棘」。心沙棘は、その果皮と果肉から抽出したフラボノイドに、ビタミンCを含んだ沙棘果汁エキスを配合したもので、酸素の取り込みを高め、高地での酸欠状態がもたらすさまざまな症状を抑えます。
また夏の登山では、”飲む点滴”といわれる漢方「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」を持っていくのをお忘れなく。汗とともに失われたエネルギーを補い、疲労物質の乳酸を分解し、失われた体液を補う働きがあります。熱中症の予防には、うってつけですよ。
登山の前日と当日の朝に心沙棘と麦味参顆粒、そして下山後に麦味参顆粒を飲むことをお勧めします。でも、絶対に無理は禁物。楽しく登山し、元気に下山しましょう。
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89.体のドライクリーニングを
ー年を重ねるごとに、夏の暑さがこたえるようになりました。体がだるくて食欲が落ち、外出する元気もでません。(50歳・女性)
40度を越す砂漠の国から来た人も耐えられないと話す、日本の夏。梅雨から初夏にかけてのジメジメ、盛夏のムシムシ・・・湿度の高さはもちろん、近年は冷房の排熱なども影響し、不快指数が増しているようです。
梅雨に体調が悪くなることが多いのは、体内に「湿濁(しつだく)」がたまるから。湿濁とは、体内の水分が代謝されずに停滞し、汚く濁った湿気のこと。日本の梅雨や夏は外気の湿度が高く、汗がスッキリ出ないため、湿濁がたまりやすいのです。湿濁がたまると胃腸の働きが鈍くなり、栄養が吸収できず新陳代謝が低下。夏バテや熱中症などを引き起こします。この湿濁を取り除き、新陳代謝を活発にするのが「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」の商品名で知られる「藿(かっ)香正気散」。いわば”体のドライクリーニング”剤です。
藿香正気散といえば、中国では家庭の常備薬としてポピュラーな薬。蒸し暑い季節になると薬屋の店頭に一斉に並びます。冷たいジュースやビールをがぶ飲みしている日本人にこそ必要な常備薬。
夏風邪を引いたら「板藍(ばんらん)茶」と一緒に、食中毒になったら「五行草茶」と一緒に飲めるよう、常備してほしい漢方薬のひとつですね。