岡山ミニコミ:
188.秋に手放せない「のどのお守り」
―秋口から、のどや鼻が乾燥し、せき込むことも多くなりました。人と話す機会が多い仕事をしているので、どうにかならないものかと思っています。効果的な漢方薬はありませんか。(40歳・女性)
のどや鼻が乾燥し、せきが頻発する人には、「養陰清肺湯(よういんせいはいとう)」という漢方薬があります。「潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)」という商品名で知られていて、声を生業にしている人からも重宝されています。
漢方では「秋=燥=肺=鼻」という関係性を重視します。漢方の「肺」とは、肺だけでなく、鼻、のど、気管、皮膚(皮膚呼吸)まで含んだ大きな意味で捉えます。一般ののど痛、せき止めの薬は炎症を抑えたり、せきを止めるだけですが、養陰清肺湯は、消炎(清)と滋潤(潤すこと)という2つの効能を発揮します。
炎症が治まり、同時に声も枯れにくくなります。いわば〝のどのお守り〟といえます。例えばコンサートホールや試験会場、静かなレストランでのせきはエチケット&マナー違反となるだけに対策を講じたいもの。直接のどに触れるシロップ状なので効き目もすぐ実感できそう。また、インフルエンザなどのウイルスも乾燥を好みます。予防・対策をお忘れなく。
岡山ミニコミ:
187.〝温度差〟で体調不良に
―日中の暑さに比べて朝晩は厚着しないと耐えられないほどです。この温度差に体調を崩してしまいました。季節の気温差に負けない漢方薬はないですか。(35歳・女性)
季節の変わり目に体調を崩しやすい人は少なくありません。漢方では「衛気(えき)が低下している」と考えられます。衛気とは、漢方でいう〝気〟の一種で、汗腺の開閉をコントロールし、今で言う大切な抵抗力や免疫機能を指します。
衛気を強める漢方薬が「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」です。皮膚や粘膜のバリア機能を高める作用があります。風邪予防はもちろん、「秋も花粉症に悩まされる」「汗をかいたらすぐ体が冷える」という人にも効果的。
飲みやすい顆粒で手軽に服用できます。
中国では「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」の名前で高い知名度があります。その由来は、昔、大きな家の玄関にびょうぶを立てていたように、病気などの外敵が体に侵入するのを防いでいたことから、といわれています。
漢方が苦手という人は、母乳由来のL・ロイテリ菌で腸管免疫アップをお勧めしています。
朝目覚めて、のどが痛い場合は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」を、そして風邪などの感染症対策には「板藍(ばんらん)茶」も併せて常備しましょう。
岡山ミニコミ:
186.猛暑!倒れる前に漢方を
―今夏は猛暑日(最高気温35℃以上)となった地域も出ているので、家族の熱中症が心配です。
知り合いから熱中症予防に効く漢方があると聞きました。(45歳・女性)
熱中症は、日中の屋外の仕事やスポーツをしている時だけでなく、夜間や屋内でも発生します。また、高齢者だけでなく幅広い年代の人に発生しているだけに、異常な暑さの襲来には誰もが注意すべきです。
大量の発汗は、気=エネルギーを消耗し、心臓機能も弱まります。血液が濃くなると血流が悪化し、血の塊ができたりして、脳卒中や心筋梗塞の危険性も高まります。
ご質問の漢方は、7月の当コラムでも紹介した麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)です。汗とともに失われたエネルギーを補い、体力や心臓機能を高める作用のある人参(にんじん)と、津液(しんえき)という体内で有用な水分を作り出す作用がある麦門冬(ばくもんどう)、止汗作用のある五味子(ごみし)の3種で構成され、疲労物質の乳酸を分解してくれるというもの。別名〝飲む点滴〟。
当薬局にも「今夏の暑さは、倒れそう」という人が相談に訪れ、麦味参顆粒を購入されています。
また、スポーツドリンクに溶かしておいしく飲めるとSNSでも広まっています。ぜひお試しを。
岡山ミニコミ:
185.あなたの夏バテ、どちらのタイプ?
―真夏、屋外で仕事をしている夫は、大汗をかいて帰宅。私は冷房の効いた部屋で事務。夫婦とも毎年のように夏バテに悩まされます。予防できる漢方があれば教えて下さい。(38歳・女性)
夏バテには大きく分けて2つのタイプがあります。
ご主人は、大量の発汗で体液だけでなく、体力(気=エネルギー)も消耗しています。気を消耗すると心臓の機能も弱まり、さらに発汗で血液が濃くなっているので要注意。このような体の中がカラカラ状態の夏バテタイプの人には“飲む点滴”ともいわれる麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)がお薦めです。
また、ゴルフや野球、サッカーの練習などスポーツ飲料に麦味参顆粒を数包溶かして飲んでいると、持久力や成績がアップしたという面白い報告もあるほどです。
一方、奥さんは、冷房の効いた部屋で冷えたジュースや食べ物をつい口にしがち。このような人は、過剰な水分が代謝されず停滞し、食欲が落ち、体が重だるくなるジトジト状態の夏バテタイプ。このような人には、勝湿(しょうしつ)顆粒がお薦め。重だるい体をスッキリとしてくれます。
自分がどちらのタイプかを把握し、自分に合った漢方で予防し、夏の暑さを楽しんでください。
岡山ミニコミ:
184.食中毒の季節、胃腸対策は漢方で!
―暑さに弱く、梅雨時季にかけて毎年、胃腸の調子を崩します。昨年は夏風邪による下痢だと思っていたら実は食中毒でした。夏バテや食中毒から体を守る漢方薬はないですか。(40歳・女性)
この時季に体調を崩すことが多い理由は、体内に「湿濁」がたまりやすいためです。湿濁とは、体内で水分が代謝されずに停滞した、濁った湿気を指します。湿濁がたまると胃腸の働きが鈍くなり、栄養素が吸収できないために新陳代謝が悪くなるのです。
漢方では、処方名「かっ香(かっこう)正気散」、商品名「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」が知られています。
体が余分に抱えた水分を取り除き、胃腸の働きを助けるかっ香正気散は、食欲が落ち、おう吐や下痢を伴う場合にも効果的。夏風邪か食中毒かよく分からないときでもOK。漢方での早めの対応が役立つでしょう。
細菌やウイルスなどによる伝染性疾患を漢方では「熱毒」と呼び、細菌にはスベリヒユのお茶「五行草茶」で対応します。急性胃腸炎やぼうこう炎、尿道炎などにその抗菌力が利用されます。
かっ香正気散とともに、ウイルス感染や夏風邪には「板藍(ばんらん)茶」、食中毒には「五行草茶」と、健康管理に常備してほしい漢方薬です。
岡山ミニコミ:
183.“オシッコ漏れ”に試したい漢方
―恥ずかしながら夫婦そろって尿漏れに悩んでいます。大人のおむつを使う前に、まずは市販薬を試そうと考えています。効果的な漢方はないですか。(60歳・主婦)
せきやくしゃみの瞬間やカラオケで大きな声を出したときに下着がぬれる、といった症状は「腹圧性尿失禁」です。
40歳以上の女性の2人に1人が経験しているとも言われています。女性に多い理由は、尿道が男性より短いこと、排尿に関連した筋肉が緩みやすくできていることもあり、これらの筋肉は、肥満や出産、加齢などでも弱くなる傾向があります。男性は、前立腺肥大に伴う排尿障害が疑われます。
中国漢方では、排尿のトラブルを加齢に伴う「腎虚」の一つと考えます。ホルモン分泌や泌尿器、生殖器機能をつかさどる「腎」の働きが低下したことによるものと考え、海馬補腎丸(かいまほじんがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などの補腎薬でその機能を回復させていきます。 若い人で、緊張など精神的問題が原因となり頻尿になる場合、無菌性のぼうこう炎にもよく使うハスの実の入った漢方・清心蓮子飲(せいしんれんしいん) が有効です。
恥ずかしがらず早めに健診を受け、併せて自然の力を上手に利用することをお勧めします。
岡山ミニコミ:
182.体の内と外から漢方でダブルケア!
―日増しに紫外線が強くなる時季、外出前の日焼け止めクリームが欠かせません。最近は加齢による肌の衰えも感じています。お肌に効果的な、夫婦でも使える漢方はないですか。(50歳・主婦)
オゾン層の破壊が進むと私たち人間にどんな影響があるかというと、有害紫外線の増加による皮膚がんや白内障などの健康リスクが高まること。日光浴にはメリットもありますが、紫外線による日焼けや炎症、しみ、そばかすの原因にもなりますし、ハリや弾力を失っていきます。
そうした肌の悩みを持つ人に紹介したいのが、誰でも試せる漢方サプリです。
沙棘(さーじ)という中国の奥地に自生するグミ科の植物。その果実から抽出したサージオイルには、ビタミンEやβカロテン、不飽和脂肪酸などが豊富に含まれ、〝美肌油〟としても珍重されてきました。
近年の研究で肌の衰えは加齢とともに老化していく毛細血管に原因があることも分かっています。そのため、内からはカプセルを飲んで、外からはクリームを塗って、内と外からダブルケアをすれば万全でしょう。服用する「紅沙棘(ほんさーじ)」(カプセル)、クリーム状の「セ・サージ」を、今夏に向けてご夫婦でお試しください。
岡山ミニコミ:
181.春のストレス、イライラ・・・に逍遥丸!
―最近夫は、職場で何かあったのか、すぐに家族に不満をぶつけます。
そのため、私までイライラして肩の筋肉がこわばって心臓が高鳴り、胃が痛みます。よい漢方はないですか。(45歳・主婦)
ご夫婦で心身が不調というわけですね。春は人事異動、子どもの入学や進級、就職など、心配ごとも増える時季。
やる気が出ない、イライラする状態などを放っておくと、うつ病や不眠症、心身症につながります。
春はストレスと関係の深い臓器〝肝〟への負担が大きくなります。〝肝〟は単に肝臓の働きだけではなく、情緒的な働き、自律神経、運動神経など神経系の働きも有しています。日常生活では、早起きをして太陽の光を浴びましょう。食事面では、春菊、ミツバ、セロリなど香りのある食材で気を巡らせます。ワラビ、タケノコなど旬の野菜や、シジミ、アサリなどは肝の働きを整えます。
春の時季、ストレスからくるイライラが強い人には、漢方の「逍遥丸(しょうようがん)」がお勧めです。逍遥とは、気ままに歩く、ブラブラ歩くという意味があり、病ではいろいろな症状が出たり消えたりする状態を表します。逍遥丸は、自律神経の乱れに伴う不定愁訴改善とともに、胃腸の機能を整えつつ血液も補う働きを持っています。
岡山ミニコミ:
180.受験生の鼻炎症状に漢方を!
―わが家には受験生がいます。追い込み時期に入ったこの時期、鼻水、鼻づまりがひどくて集中できていません。鼻炎薬は眠くなるので我慢しています。よい漢方薬はありませんか。(45歳・女性)
今のシーズンは風邪を引き金に、落ち着いていた鼻炎症状が突然再発することがあります。アレルギー性鼻炎の薬は眠気が強くなるものが多く、これもまた困りもの。〝つらい〟症状を〝すぐに止めたい〟とき、漢方鼻炎薬を試してはいかがでしょう。
漢方では、鼻炎症状を「寒」と「熱」のタイプで薬を使い分けます。水っぽい鼻汁が多い、鼻が詰まる、くしゃみが出る「寒体質」の人には、最もポピュラーな鼻炎漢方「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)/url]」を。また、黄色味を帯びた粘った鼻水が詰まったり、のどに流れてくる、頭痛がする「熱体質」の人には、効果が早いシロップ剤の鼻淵膏(びえんこう)シロップを―。どちらも眠気の心配はなく、効果が表れるのも早いのでお勧めです。まずは、お子さんがどちらのタイプか確認を。
風邪やインフルエンザが引き金となることが多い鼻炎症状。先月の当コラムでも紹介した抗菌・抗ウイルスの板藍根(ばんらんこん)のお茶やのど飴を常備することもお忘れなく。
岡山ミニコミ:
179.あなたも漢方で〝加齢対策〟を
―毎日イライラして、すぐにカッと頭に血が上るのが分かります。家族から更年期障害かもしれないねと言われ、抜け毛、白髪も増えてずっと気分が優れません。漢方で防げますか。(55歳・女性)
更年期の症状はとても多様で個人差があります。漢方医学では、
①気の巡りが悪化し、血液の貯蔵庫である〝肝〟の機能が低下する肝気鬱滞(うったい)
②ホルモン系の働きをつかさどる〝腎”の機能が低下し、体の潤いが不足し、のぼせが出る肝腎陰虚(いんきょ)
③血行不良となる瘀血(おけつ)―の3つのタイプに分類されます。
白髪などが気になる相談者は②のタイプで、使用する漢方は二至丸(にしがん)。冬至に収穫する女貞子(じょていし)と、夏至に収穫される旱蓮草(かんれんそう)を合わせて作ることから名付けらています。
女貞子はモクセイ科のトウネズミモチの成熟果実。肝腎を補い、めまい、耳鳴り、白髪などの症状に効果が期待できます。また、止血、髪を黒くする作用もある早蓮草とを組み合わせた二至丸は、二至丹(にしたん)の名前で市販されています。
加齢は避けて通れませんが、腎の弱りを改善すれば、更年期の不快感や白髪や抜け毛の悩みからも解放され、若々しさを取り戻せるでしょう。