岡山ミニコミ: 93.微熱には「麦味参顆粒」

ー1人暮らしをしている父親が、最近風邪を引きました。高齢なので肺炎も心配していましたが、杞憂(きゆう)に終わり、一安心。ところが、せきなどの症状は良くなったものの、微熱が続いて下がりません。(58歳・女性)
 一概には言えませんが、症状から察するに、発熱の原因は体液の不足にあるかもしれません。この発熱をお風呂に例えて考えてみましょう。火力が同じでも、湯量が減ったら湯船の温度が上がるのと同じように体に潤いが無くなってきたお年寄りや大量に発汗した病み上がりの人は、体内の熱を制御できず、微熱(漢方では虚熱)が出やすいのです。
 この場合、漢方では、体液を補う「麦門冬(ばくもんとう)」、体液の消耗を防ぐ「五味子(ごみし)」、元気をつける人参を配合した「麦味参顆粒](ばくみさんかりゅう)」を飲みましょう。中国名は「生脈散(しょうみゃくさん)」。心臓の働きを強めるとともに十分な水分を補い、弱った脈を呼び戻す働きがあります。毛沢東の危篤時に使われたことは漢方の世界では有名な話。飲みやすい顆粒タイプで、1日1、2包を食前や食間に飲むと良いでしょう。
 また、高血圧や心臓病などの基礎疾患がある場合は、血管の拡張や血栓を予防し、血液の粘度を下げる作用がある「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」と組み合わせるとさらに効果が期待できます。

岡山ミニコミ: 92.皮膚・粘膜の乾燥対策

-毎年、秋になるとのどや鼻が乾燥し、せきがしょっちゅう出ます。仕事に支障が出るほどせき込むこともあり、風邪でもないのにマスクが欠かせません。(47歳・女性)  蒸し暑い夏から一気に涼しい秋へ。木々が色づき、作物が収穫のときを迎える秋は、乾燥の季節でもあります。
 漢方では「秋=燥=肺=鼻」という関係性を重視しています。漢方でいう「肺」とは、呼吸に関係する皮膚(皮膚呼吸)、鼻、のどまで含めた大きな意味。のどや鼻の粘膜が乾き、タバコやほこりの微粒子に敏感になってせき込む相談者のようなケースはもちろん、口内の乾き、腸の乾燥(コロコロ便)、目の乾き、肌の乾燥、女性では膣(ちつ)分泌液の不足・・・と、皮膚・粘膜のあるさまざまな身体器官に乾燥の症状が出ます。さらに、乾燥が続くと自然界で火事が起こりやすいように、体も、手足のほてり、のぼせ、微熱、口内炎など”虚熱”といわれる熱症状が表れます。
 のどや鼻の乾燥には「潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)」、口内の乾きには「八仙丸」、コロコロ便には「潤腸湯(じゅんちょうとう)」、目の乾きには「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」肌や膣の乾きには「沙棘(さーじ)油」、虚熱がひどいと「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」を使うとよいでしょう。
 また、インフルエンザなどのウイルスも乾燥を好みます。予防・対策はしっかりと。

岡山ミニコミ: 91.肌のケアに大切なのは・・・

ー毎日、自転車で通勤しています。日焼け止め、帽子、長手袋で紫外線対策をしていますが、肌が弱いせいか日焼けや乾燥がひどく、シミ・くすみも目立ちます。夏バテで食欲が落ちているのも、肌のコンディション悪化を手伝っている気がするのですが・・・(28歳女性)
 この時季になると、当薬局でも肌に関するご相談が増えます。
 肌のコンディションを整える漢方としてまずご紹介したいのが、”女性の宝”と呼ばれる薬草「当帰」をふんだんに含む、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。美容や健康に気遣うモデルさんも使っていると雑誌に掲載されて以来、注目を集めています。女性にとって大切な血を補い、肌の新陳代謝を促進。月経不順、貧血、冷え、シミなどを緩和して、体の中から潤いを取り戻してくれますよ。
婦宝当帰膠
はクセのないシロップ状で、ドリンクに混ぜて手軽に飲めるのも魅力。ちなみに中国では、当帰を飲む習慣がある揚子江中流周辺の女性の肌はキレイだといわれています。
 また日々のスキンケアには、”美肌油”と呼ばれる「沙棘(サージ)」オイルが主成分の「セ・サージ」を使うと良いでしょう。皮膚の再生を促し、肌の老化を抑制する効果が期待できます。
 漢方はもちろん、バランスのとれた食事をはじめ、規則正しい生活を送ることが美肌の大前提なのは忘れないでください。

岡山ミニコミ: 90.登山のお供に「心沙棘」

-登山が趣味で、若いころから夫とよく山に出掛けています。ただ最近、年のせいか持久力がなくなり、登っている最中に息が切れてひどく疲れるようになりました。何か良い漢方はありませんか。(62歳・女性)
 趣味や健康維持のために登山を楽しむ中高年の方が増えています。でも加齢とともに気になるのが体力の衰え。そんな中高年の方に紹介したいのが、スポーツ専門誌でも紹介され、注目を集めている「心沙棘(シンサージ)」です。
 貧弱な土壌や厳しい環境下でも生育することから”生命の実”の別名を持つグミ科の植物「沙棘」。心沙棘は、その果皮と果肉から抽出したフラボノイドに、ビタミンCを含んだ沙棘果汁エキスを配合したもので、酸素の取り込みを高め、高地での酸欠状態がもたらすさまざまな症状を抑えます。
 また夏の登山では、”飲む点滴”といわれる漢方「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」を持っていくのをお忘れなく。汗とともに失われたエネルギーを補い、疲労物質の乳酸を分解し、失われた体液を補う働きがあります。熱中症の予防には、うってつけですよ。
 登山の前日と当日の朝に心沙棘と麦味参顆粒、そして下山後に麦味参顆粒を飲むことをお勧めします。でも、絶対に無理は禁物。楽しく登山し、元気に下山しましょう。

岡山ミニコミ: 89.体のドライクリーニングを

ー年を重ねるごとに、夏の暑さがこたえるようになりました。体がだるくて食欲が落ち、外出する元気もでません。(50歳・女性)
 40度を越す砂漠の国から来た人も耐えられないと話す、日本の夏。梅雨から初夏にかけてのジメジメ、盛夏のムシムシ・・・湿度の高さはもちろん、近年は冷房の排熱なども影響し、不快指数が増しているようです。
 梅雨に体調が悪くなることが多いのは、体内に「湿濁(しつだく)」がたまるから。湿濁とは、体内の水分が代謝されずに停滞し、汚く濁った湿気のこと。日本の梅雨や夏は外気の湿度が高く、汗がスッキリ出ないため、湿濁がたまりやすいのです。湿濁がたまると胃腸の働きが鈍くなり、栄養が吸収できず新陳代謝が低下。夏バテや熱中症などを引き起こします。この湿濁を取り除き、新陳代謝を活発にするのが「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」の商品名で知られる「藿(かっ)香正気散」。いわば”体のドライクリーニング”剤です。
 藿香正気散といえば、中国では家庭の常備薬としてポピュラーな薬。蒸し暑い季節になると薬屋の店頭に一斉に並びます。冷たいジュースやビールをがぶ飲みしている日本人にこそ必要な常備薬。
 夏風邪を引いたら「板藍(ばんらん)茶」と一緒に、食中毒になったら「五行草茶」と一緒に飲めるよう、常備してほしい漢方薬のひとつですね。 

岡山ミニコミ: 88.インフルエンザ対策

ー新型インフルエンザが広まる中、どこのお店もマスクが売り切れで、買うことができませんでした。うがい・手洗いのほかに、漢方での対策がありましたら教えてください。(40歳・女性)
 まず睡眠と栄養をしっかりとり、人ごみをなるべく避けることが大切です。十分な睡眠と栄養は体の防衛力を高め、ウイルスに感染しにくく、感染しても症状を軽くするためには欠かせません。春から夏にかけての免疫アップには、体の気(エネルギー)と陰(体液)を補う「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう、処方名=生脈散)」がお勧めです。
 また、のどからのウイルスをブロックするのに役立つ漢方が「板藍根(ばんらんこん)」のお茶。中国ではインフルエンザのシーズンに、小中学校の校門で、登校してきた子供たちののどにスプレーで板藍根の煎(せん)じ液を吹きかけて健康管理に用いることもあるそうです。外出前と帰宅後に、板藍根のお茶を飲むと良いでしょう。最近は板藍根のアメも発売されているので、外出時には持ち歩き、人ごみではなめておくと良いでしょう。そして、のどがおかしいなと思ったら、板藍根のお茶とともに漢方の風邪薬「銀翹散(ぎんぎょうさん)」を早めに飲むこと。マスク不足も漢方の知恵でカバーして乗り切ってください。この対策は、風邪や季節性のインフルエンザにも役立ちます。

岡山ミニコミ: 87.薬の前に食生活の見直しを

ーこの春大学生になり下宿を始めた娘のアトピー性皮膚炎が悪化しているようです。何が原因でしょうか。(46歳・女性)
 環境の変化は、体や心のストレスになりますが、娘さんが今一番注意すべきは、日々の食卓でしょう。携帯電話にはお金をかけても、食事は何でもよいという若者が増えています。薬で治そうとする前に、まずは娘さんの毎日の食事内容を確認してみてください。
 漢方では、五味(酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩辛い)、五色(青・赤・黄・白・黒)といって、味や色のバランスのとれた食事がおいしいのはもちろん、健康にも良いと考えます。また季節の食べ物は、体のバランスを整えるように自然が与えてくれたもの。味や色のバランスとともに旬を大切にした食事を心掛けることが大切です。
 ちなみにアレルギー体質の人は、「冷」冷たいもの、「生」生もの、「甘」甘いもの、「脂」油ものや乳製品を取りすぎないように。ポテトチップスにジュース、アイスクリームでお腹を膨らしていると、アトピー悪化の原因になります。食事の際にはそれらに気を付けること。また、お弁当を作って持ち寄る「弁当の日」活動が小・中学校を中心に全国で広がっている今、五味・五色に配慮した彩りのよいお弁当を手作りしてみるのもいいですね。 大人になってからの食生活は幼いころの食習慣が影響します。ぜひ食卓を見つめ直してください。

岡山ミニコミ: 86.目の疲れには菊と枸杞(くこ)

-仕事でパソコンを長時間使うため慢性的に目が疲れているのですが、春になると、ドライアイや充血、目のかゆみが一層ひどくなる気がします。何か良い対処法はありませんか。(28歳・女性)

 自然界の陽気が盛んになる春は、冬の間 内にこもっていたものが一気に外に出る時季。だから、目の充血、目のかゆみなどの不快な症状が現れやすくなるのです。
 漢方では「肝は目に孔(あな)を開く」と言い、目は肝と深くかかわっていると考えます。また、血は目の栄養源で、目を使うことで血が消耗されるともとらえます。長時間、特に夜に目を酷使すると血が消耗され、栄養が行きわたらなくなり、目が乾いたり、かすんだり、疲れやすくなります。さらにひどくなると、頭痛、肩こり、精神不安を引き起こし、イライラ、うつ状態、女性の場合は生理不順を招くことも。
 そんなときには、”飲む目薬”と呼ばれる漢方薬「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」を。この薬のベースとなる「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」と「枸杞子(くこし)」には、肝を養い、血を増やす作用があります。また中に入っている菊の花には、目の充血を抑え、視力回復に役立つ働きも。乾燥した菊の花を熱湯で数分浸出させて飲む「菊花茶」や、枸杞の実と合わせた「杞菊茶(こぎくちゃ)」もお薦めですよ。

岡山ミニコミ: 85.体質改善しながら花粉症対策

ー花粉症の私にとっては一年で最もつらいシーズンがやってきました。くしゃみや鼻水がひどく、薬を飲んでいるのですが、仕事中に眠くなったり口が渇いたりして困っています。(24歳・女性)

 西日本では、花粉の飛散量が昨年をかなり上回ると予測され、花粉症の人は厳しい春を迎えていることでしょう。
 症状が出始めた場合、漢方では、体質改善を促しながら症状を抑えます。まず、水っぽい鼻汁が多い、鼻が詰まる、くしゃみが出る、のどの痛みはなく目も赤くないーという「寒体質」の人には、最もポピュラーな鼻炎漢方「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」を。涙目、くしゃみ、鼻汁、タンや鼻詰まりなどの症状を改善し、体を温め乾燥させる効果があります。普段の食生活では、冷たいものの食べ過ぎや水分の取りすぎに注意しましょう。
 また体が熱っぽく、目・鼻・のどの粘膜が腫れ、目がかゆく鼻汁も黄色く粘ついた「熱体質」の人には、風邪薬としても使う「銀翹散(ぎんぎょうさん)」が向いています。味の濃いものや辛いもの、アルコールのとりすぎには注意すること。
 症状に関係なく、粘膜のバリアー機能を高めるオウギの入った「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」を組み合わせると、さらに効果が期待できます。
 一般のサプリメントや健康食品と併用しても心配はありませんが、詳しくはご相談ください。

岡山ミニコミ: 84.インフルエンザの対策と治療

-タミフルが効かないインフルエンザがあると知り心配です。今一度、漢方のインフルエンザ対策と治療について教えてください。(40歳・女性)
 インフルエンザはかかってからでなく、予防と初期対応をいかに家庭で行うかが大切。まず予防についてですが、一般に言われているように「マスク・うがい・手洗い」を徹底し、部屋は加湿し、そして、十分な栄養と睡眠をとるようにしましょう。さらに漢方では、「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」の名で販売されている「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」を普段から飲み、外から帰ったら「板藍(ばんらん)根」のお茶を飲むことをお薦めします。玉屏風散は体表での防衛力を高める働きを持つ漢方。板藍根は、2003年に中国をはじめアジア一帯でSARS(重症急性呼吸器症候群)が猛威を振った際に品薄となった薬草で、アブラナ科の植物の根です。
 気を付けていたのに、のどが痛くなって熱が上がり、インフルエンザが疑われる場合は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」と板藍根のお茶を併用します。銀翹散には、漢方で抗菌抗ウイルス作用を意味する”清熱解毒(せいねつげどく)”の力を持つ成分が多く含まれ、できるだけ早く板藍根と併せて飲むことで、症状が軽く、回復が早くなります。病院で出された薬と併用できるので、漢方を飲んだらすぐに受診しましょう。
 ちなみにノロウイルスのように、ムカムカして胃腸に症状が出たときは、「かっ香正気散(かっこうしょうきさん)」と板藍根のお茶を併用すること。